2019年6月

2019年6月14日 (金)

感想戦後、甲斐女流五段に少しお話を聞きました。

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―― 本局を振り返っていかがでしたか。

甲斐 △5五歩(34手目)と仕掛けられて、中央でのぶつかり合いになりました。力強く金を四段目に出てこられて。こちらは桂得と穴熊が主張でしたが、歩切れだったので、どうやって手を作るか苦心していました。
▲3五歩(53手目)と突いたあたりがギリギリでしたが、手が繋がっていたので、少しよくなったかなと思います。

―― 優勢、勝勢を意識されたのは。

甲斐 優勢だとは感じていましたが、寄せまではしっかり読めていない部分があったので、▲6一角(91手目)から▲8三桂成の順で勝ちを意識しました。

―― 五番勝負の相手は決まっていませんが、抱負をお願いします。

甲斐 まさか五番勝負まで勝ち残れるとは思っていませんでしたので驚いています。せっかく第1期の清麗戦の五番勝負で対局させていただけるので、いい将棋が指せるように、全力で頑張りたいと思います。

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本局の中継は以上で終了いたします。ご観戦ありがとうございました。

Dsc_0056(笑顔で対局を振り返る甲斐女流五段)

Dsc_0061(感想戦では▲4六歩(51手目)や▲3五歩(53手目)の周辺を中心に検討された)

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103手で甲斐女流五段が制しました。終局時刻は16時15分。消費時間は、▲甲斐2時間51分、△中村真2時間42分。勝った甲斐女流五段は里見香奈女流五冠-頼本奈菜女流初段戦の勝者と五番勝負を戦います。

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図は△5九飛成に対して、▲2四飛と走った局面です。角の働きが違い、先手がリードを広げています。

Dsc_0023(写真は開始前、振り駒に使われた歩を並べる甲斐女流五段)

 

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図は△5六歩の取り込みに▲6八銀と引いた局面です。桂得でと金を作っている先手ペースと見ていいようです。

Dsc_0025(開始前の甲斐女流五段。対局に向けて気息を整えている)

 

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△5四金に甲斐女流五段が3分ほど使って休憩に入りました。消費時間は、▲甲斐女流五段48分、△中村真女流三段1時間12分。対局は12時40分に再開されます。昼食の注文は両者ありませんでした。

Dsc_0050(休憩中の対局室)

Dsc_0048(先手の甲斐女流五段側から見た盤面。△5四金と立った局面で休憩に入りました)

 

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西山朋佳女王が中継室を訪れました「(図の直前の)△5三金にはびっくりしました。後手は△6二飛だと思うのですが、▲5五歩や▲6四歩でどうするんでしょう。ここが分岐点になりそうです。互角に見えますが、▲2五歩など先手のほうが狙いが多いような気がします」と話しています。

Dsc_0045(モバイル中継で進行を確認する西山女王)

 

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図は中村女流三段の四間飛車に対して、甲斐女流五段が▲9八玉と潜った局面です。▲9八玉に中村女流三段がしばし手を止めています。

Dsc_0021(写真は開始前の振り駒の様子)

 

Dsc_0030(初手▲7六歩を突く甲斐女流五段)

Dsc_0035(▲7六歩に△3四歩を着手する中村女流三段)

Dsc_0038(▲7六歩△3四歩▲2六歩と進んだ)

 

第1期ヒューリック杯清麗戦(主催:ヒューリック株式会社)はいよいよ本戦が始まります。
甲斐智美女流五段-中村真梨花女流三段戦は6月14日(金)東京・将棋会館で10時開始。
本局の勝者は里見香奈女流五冠-頼本奈菜女流初段戦の勝者と五番勝負を戦います。
持ち時間はチェスクロック使用で各3時間。使いきると60秒未満での着手になります。先後は振り駒で決定されます。

Photo中継は吟が担当します。どうぞよろしくお願いいたします。