2010年10月21日 (木)

岩根女流二段、寄せきる。先勝

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図の▲8三歩を見て里見倉敷藤花が投了を告げた。終局時刻は16時21分。消費時間は両者ともに2時間。岩根女流二段は難敵を下し、三番勝負で大きな先勝を挙げた。

「投了図以下ですが、▲8二金の一手詰めを受ける手段がありません(△7三角も▲同銀成で無効)。先手玉は詰まないので投了もやむを得ません。
本局は中盤は岩根女流二段の▲6五歩(47手目)の構想が素晴らしく、先手ペースで進んでいたと思います。ただ、その後の角交換から△7三銀引(60手目)の構想も秀逸で形勢が接近。△8七飛成(76手目)としたところは、里見倉敷藤花も手応えを掴んでいたのではないでしょうか。△5七竜(78手目)は気付きにくい手で参考になりました。岩根女流二段の勝因は▲7七桂(103手目)からの思い切った指し回しではないでしょうか。終盤で王手飛車の筋があり、形勢がかなり接近したと思いましたが、よく踏みとどまったと思います。
本局も中終盤のねじり合いが迫力ありましたので、次局以降も熱戦が期待できるのではないかと思います」(藤倉勇樹四段)

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先手寄せきったか

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図は16時15分頃の局面。この香打ちが「手厚い詰めろ」。控え室では先手勝勢ではっきりしたか、と声が上がる。

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猛攻続く。後手苦しいか

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図は16時頃の局面。先手は▲6四歩とじっと垂らし、力を溜めた。△4四歩と銀を取るのは△6四角の王手飛車があったところ。「敵の打ちたいところへ打て」を実践している。次に▲6三金△同銀▲同歩成△同玉▲6一飛成の攻めを狙って厳しい。
この終盤で「攻めている」という精神的なアドバンテージは大きい。岩根女流二段の玉は安泰で、攻めに専念できる形。後手はしばらく受け続ける展開になりそうだ。里見倉敷藤花にとっては苦しい時間が続いている。

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岩根女流二段、猛攻

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図は15時50分頃の局面。里見倉敷藤花が△7七歩で、馬取りを防いだところ。岩根女流二段が後手玉めがけて猛攻を続けている。ここで決めきることができれば、先手はそのまま勝ちにつながる。里見倉敷藤花にとっては攻めを凌(しの)げるか、という局面。とにかく熱い展開だ。

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(中継用のパソコンをのぞき込む渡辺竜王。奥には対局室の盤面を映すモニタが見える)

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(継ぎ盤でも盛んに意見が飛ぶ。中川八段と石橋女流四段が検討中)

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優劣不明の混戦

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図は15時40分頃の局面。里見倉敷藤花が優勢と見られていたが、現在は混戦になっている。「大激戦だ」と中川八段。

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15時35分頃の対局室

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(15時35分頃の対局室。里見倉敷藤花が△6五歩(102手目)を着手する)

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秒読みの中、火花散る終盤戦に

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図は15時25分頃の局面。△7六角に岩根女流二段が▲6七銀と竜・角両取りに打ったところ。複雑な終盤戦を迎えている。里見倉敷藤花も残り時間が切迫し、秒読みに入っている可能性が高い。盤上の駒が慌しく動き、控え室の検討も熱を帯びてきた。

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