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2019年11月24日 (日)

記者会見

就位式終了後、両対局者の記者会見が行われました。

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【里見香奈倉敷藤花 記者会見】

--5期連続、通算10度目の倉敷藤花に就位されたご感想をお聞かせください。
「初めて獲得したタイトルでしたので、印象が一番強いタイトルだと思います。(清水市代女流六段と獲得数で)並ぶということは歓迎会で聞くまで知らなかったですが、注目されていることは大変光栄に思いましたし、清水さんのような実績のある方と一緒の結果を残すことができて、うれしく思います」

--本局を振り返っていただけますか。
「最初はテンポよく進めていましたが昼食休憩前(59手目▲8九飛の局面)にちょっと思わしい対応がわからなくて、持ち時間2時間にしてはだいぶ長考になってしまったので、残り時間も少なくなりましたし、局面も守勢を余儀なくされていたのであまり自信はなかったです。ただ局面ごとに集中して自分の持っている力を出しきろうということで、局面に純粋に集中できていたところはよかったと思います」

--昨日は一貫性がなかったと話していましたが、50分の長考は昨日の反省もあったのでしょうか。
「昨日は読みがまとまっていないまま指していたり、予定変更をたくさんしたりで、自分としては残念な対局でした。結果というより内容に残念な気持ちが強かったので、今日は時間を使っても納得して指そうと思いました。そんなに長考していたとは気づかなかったです」

--勝ちを意識したのはどのあたりでしょうか。
「最後のあたりですかね。△5六歩(106手目)と突いて、金銀をたくさん持って寄せに入った段階では勝ちになったと思っていました」

--女流王将戦、女流王座戦もありましたが、体調面はいかがでしょうか。
「食事の面でも肉体的な休養の面でも気をつかっているので、風邪は引いていませんし、自分なりに気をつけています」

--家族の存在を支えにされていると思います。10期の節目に家族の存在をどう思われているか教えてください。
「昨日は家族が見にきてくれていて、終わったあとに一緒に食事をしました。初めての倉敷藤花戦のときから見にきてくれていますし、勝ち負けに関わらずいい意味で将棋のことを忘れさせてくれたり、次に向かう活力をくれたりするので、本当にありがたい存在です。だからこそがんばらないといけないと思います」

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(里見香奈倉敷藤花)

【伊藤沙恵女流三段 記者会見】

--第2局に勝たれて今日の最終局を迎えられました。集中して対局を迎えられたのでしょうか。
「今日は先後も決まっていなかったので、昨晩はゆっくり身体を休めようと思っていました」

--今日の対局は全体を通して、いかがでしたか。
「ずっと難しい形勢なのかなと思っていまして、当たり前ですがミスしたほうが形勢を損ねるという将棋なのかなと思いました」

--明確な悪手がはっきり見えなかったのですが、ご自身の中では何かありましたか。
「4六歩の形がいかにもコビンが開いていて危ない形だったので、それに神経を使いながら攻めていくような展開でしたが、1手1手難しく、攻めもクリーンヒットしているようではなかったです。攻めていくほうは切れると一瞬で終わるので、こちらのほうが指し手を考えやすいのかなと。難しい将棋でした」

--倉敷藤花は2回目の挑戦。初タイトルに向けても強い思いを持たれていると思います。里見倉敷藤花に阻まれることが多いと思いますが、今後に向けてこういうところをがんばっていきたいという抱負はありますか。
「自分なりに一生懸命やってきたつもりではありましたが、今回もタイトルには届かなかったので……。いま終わったばかりなので、今後のことは浮かんでこないです」

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(伊藤沙恵女流三段)

以上で第27期大山名人杯倉敷藤花戦の全ての日程が終了いたしました。今期もご観戦いただきましてありがとうございました。

(翔)

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