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2017年11月

2017年11月25日 (土)

歓迎会(2)

伊東香織倉敷市長

◆伊東香織・倉敷市長のあいさつ◆

「里見倉敷藤花、伊藤女流二段、ようこそ倉敷へお越しいただきまして、心より歓迎いたします。全国に誇る大山康晴十五世名人が地元、倉敷市の出身で名誉市民であり、倉敷で将棋の振興を本当に力を入れてくださっていたことを顕彰して、平成5年(1993年)、この大山名人杯倉敷藤花戦を、倉敷市の花でありますフジの花の名前を冠して始めました。倉敷市、日本将棋連盟様、山陽新聞様、倉敷市文化振興財団一緒になりまして、記念すべき第25期、四半世紀の時を迎えたところです。おかげさまで、地元では子どもたちが『菅井教室』で学んでくれるなど、将棋のまちとして頑張っているところです。倉敷の一年間の大きな行事であります倉敷藤花戦、このたびは里見香奈さんと伊藤沙恵さんの素晴らしい対局となっています。里見さんは倉敷藤花のタイトルを7期獲得されており、押しも押されもせぬ第一人者でいらっしゃいます。伊藤沙恵さんは今年、多くのタイトル戦に挑戦をされて頑張っていらっしゃいます。11月7日に東京・将棋会館におきまして第1局がございました。私も大変緊張をしながら振り駒をさせていただき、白熱するなかで里見さんが先勝されています。明日、倉敷市民はもとより、多くの皆様が注目をされます第2局、お二人の素晴らしい対局を市民ともどもご祈念申し上げまして、私からの皆様へのご挨拶とさせていただきます」

松田正己山陽新聞社代表取締役社長

◆松田正己・山陽新聞社代表取締役社長のあいさつ◆

「倉敷藤花戦は四半世紀の節目の年ですが、今年の将棋界は藤井聡太四段が史上最年少の14歳でデビューして以来、29連勝という前代未聞の大変な成績を残され、全国の将棋ファンだけでなく、多くの国民の注目を集めた年です。私どもの地元、岡山にとりましては、菅井竜也七段が王位を羽生善治三冠(当時)から奪取されました。菅井王位は岡山市のご出身ですが、当地倉敷で少年時代から鍛錬されて実力をつけられ、今回の王位獲得となり、県民市民こぞって喜んでいます。そうしたなかで大山名人杯倉敷藤花戦が開催されます。里見香奈倉敷藤花は女流王座、女流名人、女流王位、女流王将、倉敷藤花の五冠。あと一冠取ればすべて取る、女流将棋界の第一人者でいらっしゃいます。対抗して挑戦者に勝ち抜いてこられたのは伊藤沙恵女流二段。今年、里見倉敷藤花のお持ちのタイトルのうち、女流王位、女流王将、倉敷藤花、そして来年年頭に女流名人のタイトル戦が始まると聞いており、いちばん勢いのある方でいらっしゃいます。今月7日の第1局は大変な熱戦の末、里見倉敷藤花が先勝をされています。明日第2局、伊藤女流二段には雪辱を期して第3局に向けて頑張っていただきたい、里見倉敷藤花も連勝を、お二人に勝っていただきたいと思いながらこの場に立っております。どうぞ、お二人とも全力を出しきっていただければと思います」

佐藤康光日本将棋連盟会長

◆佐藤康光・日本将棋連盟会長のあいさつ◆

「里見香奈倉敷藤花と伊藤沙恵女流二段の対決という、将棋界でいま最もホットでタイトル戦にふさわしいカードになったと思っています。里見さんは5つのタイトルを保持されています。現在、リコー杯女流王座戦とダブルタイトル戦の最中でもあり、トップ棋士の宿命ですが、女流棋界の第一人者の地位を確立されています。一方、伊藤沙恵女流二段は今年に入りましてからタイトル戦に立て続けに登場され、来年も岡田美術館杯女流名人戦の挑戦も決めて、いちばんいま勝っている女流棋士といえると思います。 里見さんは鋭い攻め将棋、伊藤さんは粘り強いしのぎが持ち味と思いますが、東京での第1局は両者の特長が十二分に出た長手数の大熱戦で、ファンの皆さんも大変見ごたえある対局を楽しまれたのではないかと思います。明日、こちら倉敷で午後からは公開対局です。皆さんはなかなかタイトル戦を間近で見る機会はないと思いますので、楽しみにされている方も多いかと思います。両対局者には今日ゆっくり休んでいただいて、また明日以降も素晴らしい名局を指していただければと感じております。 こちらの地元は大山名人(大山康晴十五世名人)という偉大な大先輩の棋士がいらっしゃいまして、私も修行時代に記録係を務め、プロになってから2局ほど対局させていただきました。大山先生のひとつの記録に、69歳で亡くなるまでA級でずっといらっしゃったことがございます。こちらに来て、少しでも近づけるように私も頑張りたいと気持ちを改めさせていただきました。 今年の夏に将棋サミット(全国将棋サミット2017)を倉敷市で開催していただきまして、まことにありがとうございました。そのときに入らせていただいた『大山名人記念館』には大山先生の写真も数々展示されているのですが、自分が写っている写真がありました。時間に余裕のある方は探していただければいいかと思うのですが、私もそこに写って大変光栄に思っております。将棋界としても大山先生が作られた、非常に大変な功績がございます。そういうものを引き継いでいけるように頑張りたいと思っております」

両対局者

(書き起こし:飛龍記者/写真:夏芽)

歓迎会(1)

検分のあと、18時から倉敷国際ホテル「桜花の間」で歓迎会が行われました。そちらの模様を写真でお送りします。

倉敷国際ホテル
(歓迎会会場の倉敷国際ホテル)

桜花の間

歓迎会

両対局者入場
(拍手で迎えられて両対局者が入場)

(夏芽)

検分(2)

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(続いて芸文館ホールでの検分。先ほどの和室とはガラリと雰囲気が変わる)

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3_3

5
(こちらの検分も5分ほどで終了した)

(夏芽)

検分(1)

到着後はすぐに対局室、盤駒の検分が行われました。第2局は対局開始から昼食休憩までを芸文館内「藤花荘」で行い(非公開)、再開以降、終局までは同館内ホールでの公開対局になります。

藤花荘

検分
(先に藤花荘での検分が行われた)

里見香奈倉敷藤花

伊藤沙恵女流二段

検分終了
(特に問題点はなく、すぐに駒が片づけられた)

(夏芽)

芸文館に到着

両対局者を含めた関係者一行は、16時過ぎに対局場である倉敷市芸文館に到着しました。

1
(里見香奈倉敷藤花)

伊藤沙恵女流二段
(山田久美女流四段と伊藤沙恵女流二段)

倉敷市芸文館
(16時過ぎに倉敷市芸文館に到着した)

(夏芽)

第2局は岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」

里見香奈倉敷藤花に伊藤沙恵女流二段が挑戦する第25期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負は、第1局を里見倉敷藤花が制し、防衛まであと1勝としました。
続く第2局は11月26日(日)、岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で行われます。対局開始は10時、持ち時間は各2時間(チェスクロック使用)、先手は里見倉敷藤花です。本局で伊藤女流二段が勝った場合はシリーズ1勝1敗で、第3局を翌27日(月)に同所で行います。
立会人は山田久美女流四段、記録係は神内行人初段(井上慶太九段門下)。現地大盤解説会には菅井竜也王位、頼本奈菜女流1級が出演します。
インターネット中継は、現地から有森浩三七段の解説を交え、棋譜コメント入力を飛龍記者、ブログ更新は夏芽が担当します。よろしくお願いいたします。

ポスターPhoto

2017年11月 7日 (火)

感想戦(2)

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Dsc_0209(里見倉敷藤花を苦しめた伊藤女流二段だったが……)

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本局の中継ブログは以上で終了します。ご観戦ありがとうございました。岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で行われる第2局をお楽しみに。

(吟)

感想戦(1)

Dsc_0180(主催紙のインタビューに応じ、感想戦が開始される)

Dsc_0184(熱い戦いを繰り広げた両対局者。倉敷ではどのような勝負を見せてくれるのだろうか)

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(吟)

終局直後

Dsc_0142(秒読みの中、激戦を繰り広げた両対局者)

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―― かなりの激戦でしたが、本局を振り返ってください。

里見 さばき合って、まずまずかなと思っていたのですが、そこから自然な指し方がわからなくて。よくなった局面はあったと思うのですが、間違えてしまって。ちょっと残っていたのが、幸いしました。

―― 勝利を収められたことについては。

里見 いいスタートが切れたので、また次も力を出せるように頑張ります。

―― 次は倉敷での公開対局になります。

里見 公開対局は倉敷藤花戦だけですので、いい状態で一生懸命指したいと思います。

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―― 対局を振り返っていただいけますか。

伊藤 最初はよくわからなかったのですが、途中はよくなった局面はあったと思います。そこから決め切れなかったのが残念です。具体的な手がわからなかったので、何かあったのではないかと。

―― 第2局、巻き返しに向けての抱負を。

伊藤 倉敷藤花戦は初めてです。倉敷にいくのも公開対局も、初の体験になるので、楽しみと緊張というか。いい方向に持っていければいいかなと。

(吟)

里見倉敷藤花が先勝

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第25期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第1局は、170手まで里見倉敷藤花が勝ちました。投了図で▲1六同玉は△1五歩、▲1六同馬は△3八角成で一手一手の寄りです。終局時刻は16時5分。消費時間は両者2時間。第2局は11月26日(日)、岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で行われます。
(文)

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