【藤井聡太叡王インタビュー】
――一局を振り返って。
こちらが攻めを呼び込む形で戦いになって、飛車を目標にしてやっていければと思っていたんですが、△7五飛(64手目)と浮かれたときいい手段が見つからなくて。本譜では苦しくしてしまったのかなと思っていました。こちらの駒が連係しない形なので、少しまずいかなと。もう少し違う指し方のほうがよかったのかなとは思います。
――一分将棋になって終盤はどのように形勢判断を見ていましたか。
△6五角(82手目)と打たれて厳しいかなと思っていて。そのあとはどうやって勝負するのかというのを考えていたんですが、最後まで苦しい局面が続いたかなと思います。
――▲6五香(95手目)はギリギリの着手でした。
ちょっと形勢が厳しそうかと思っていて。ただ他に手がわからなかったので仕方ないと思って指しました。
――勝ちになったのはどのあたりですか。
最後、▲3五桂(105手目)と打って詰んでいそうかなと。
――3連勝での防衛について。
このシリーズは相掛かりの将棋になって、中盤で長考した場面が多かったんですけど、それでもなかなか判断がつかないところもあったので、そのあたりが課題だと感じました。
――タイトル戦での連勝記録が羽生善治九段に並ぶ13連勝で歴代2位となります。
本局も負けの局面があったと思うので、あまりそのことに気にせず、また来月から棋聖戦と王位戦が始まっていくので、それに向けてしっかり調整していきたいです。
――主催の不二家さんのおやつはいかがでしたか。
また前期と違ったお菓子を用意していただいて、今回もとても美味しくいただきました。
――叡王戦ではこれまで防衛した棋士がおらず、藤井叡王が初防衛になりました。
それも意識していたと言うことではないのですが、ひとつの結果が出せたことはうれしく思います。
【出口若武六段インタビュー】
――本局を振り返っていかがでしたか。
序盤は失敗してしまったかなと思っていて。ちょっと玉を寄られて銀を上がられて(▲6八玉~▲7八銀・47手目)みると、どんどん行く展開とかにはならなくなってしまったので、ちょっと苦しい展開かなと思ったのですが。さすがに歩も取れて飛車も引けたのでペースが来始めたのかなと思ったのですが、最後ちょっと着地がひどかったかもしれないです。全体的には自分の実力だったのかなという感じがします。
――タイトル初挑戦を振り返って。
徐々に慣れてきたといった面はあったかなと思っていたんですけど、今日の将棋を負けてしまったというのはすごい悔しいという気持ちがあります。1局目と2局目は内容があまりよくなかったという面でも、もう一回鍛え直して上に上がっていければと思います。



▲藤井-△出口戦は、藤井叡王が109手で勝ちました。終局時刻は18時18分。消費時間は、▲藤井4時間0分、△出口4時間0分。
1図以下、▲2一飛△3一金打▲1一飛成△5二銀▲6五香△4七銀成▲7五角△4三玉▲3一角成(2図)と進みました。
藤井叡王も持ち時間を使いきって、両者一分将棋のせめぎ合いになりました。一進一退の激しい寄せ合いが続きます。
△6五角に対して藤井叡王は▲7八銀(1図)と引きました。以下△7七歩には▲同玉(2図)と応じたのです。
2図で出口六段が手を止めています。いよいよ最終盤に突入します。
▲6五桂に対して後手は△9二角(1図)と打ちました。6五の桂が移動すれば△4七角成▲同金△3八銀の両取りが掛かります。△9二角に実戦は▲7四歩△4二玉▲7三歩成△6一金▲7四歩△7三桂▲同桂成△6五角(2図)と進みました。
先手は歩切れのため8七の銀取りを受けるには▲7六桂と打つことになりそうですが、△7五歩で後手が攻めきれるかどうか。先手は▲2一飛と打ち込む手がありますが、△3一金▲1一飛成△2二銀と竜を追い払う順があります。肝心の形勢は何ともいえず、難解な終盤戦が展開されそうです。






藤井叡王は昼食休憩を挟む51分の考慮で▲8六金と上がりました。対して出口六段は△8六同角▲同歩に△7六銀(2図)と角切りから勝負に出たのです。
2図から▲6六角△7七歩▲同銀△同銀不成▲同角△7六銀に▲6一角(3図)と先手も攻め合いに出ました。
▲6一角が放たれたとき控室では「銀ではなく角」と歓声が上がりました。銀の割り打ちが打てる場面で角を打つのは珍しいかもしれません。△8二飛には▲8三銀△6二飛▲7二角成と飛車を捕まえにいく狙いがあります。
しばらくは先手ペースで進んでいましたが、▲6五桂(4図)で検討陣の評価が変わってきました。▲6五桂は△6一金に▲5三桂不成を用意した意味ですが、△4二玉と上がって▲2一飛の王手を未然に防いでおく手があって、現在は激戦と見られています。









