2022年5月24日 (火)

終局直後の様子

Dsc_1618(叡王初防衛を果たした藤井叡王)

【藤井聡太叡王インタビュー】
――一局を振り返って。
こちらが攻めを呼び込む形で戦いになって、飛車を目標にしてやっていければと思っていたんですが、△7五飛(64手目)と浮かれたときいい手段が見つからなくて。本譜では苦しくしてしまったのかなと思っていました。こちらの駒が連係しない形なので、少しまずいかなと。もう少し違う指し方のほうがよかったのかなとは思います。
――一分将棋になって終盤はどのように形勢判断を見ていましたか。
△6五角(82手目)と打たれて厳しいかなと思っていて。そのあとはどうやって勝負するのかというのを考えていたんですが、最後まで苦しい局面が続いたかなと思います。
――▲6五香(95手目)はギリギリの着手でした。
ちょっと形勢が厳しそうかと思っていて。ただ他に手がわからなかったので仕方ないと思って指しました。
――勝ちになったのはどのあたりですか。
最後、▲3五桂(105手目)と打って詰んでいそうかなと。
――3連勝での防衛について。
このシリーズは相掛かりの将棋になって、中盤で長考した場面が多かったんですけど、それでもなかなか判断がつかないところもあったので、そのあたりが課題だと感じました。
――タイトル戦での連勝記録が羽生善治九段に並ぶ13連勝で歴代2位となります。
本局も負けの局面があったと思うので、あまりそのことに気にせず、また来月から棋聖戦と王位戦が始まっていくので、それに向けてしっかり調整していきたいです。
――主催の不二家さんのおやつはいかがでしたか。
また前期と違ったお菓子を用意していただいて、今回もとても美味しくいただきました。
――叡王戦ではこれまで防衛した棋士がおらず、藤井叡王が初防衛になりました。
それも意識していたと言うことではないのですが、ひとつの結果が出せたことはうれしく思います。

Dsc_1705(終盤でのチャンスをつかめず3連敗を喫した出口六段)

【出口若武六段インタビュー】
――本局を振り返っていかがでしたか。
序盤は失敗してしまったかなと思っていて。ちょっと玉を寄られて銀を上がられて(▲6八玉~▲7八銀・47手目)みると、どんどん行く展開とかにはならなくなってしまったので、ちょっと苦しい展開かなと思ったのですが。さすがに歩も取れて飛車も引けたのでペースが来始めたのかなと思ったのですが、最後ちょっと着地がひどかったかもしれないです。全体的には自分の実力だったのかなという感じがします。
――タイトル初挑戦を振り返って。
徐々に慣れてきたといった面はあったかなと思っていたんですけど、今日の将棋を負けてしまったというのはすごい悔しいという気持ちがあります。1局目と2局目は内容があまりよくなかったという面でも、もう一回鍛え直して上に上がっていければと思います。

Dsc_1750(終局直後の様子)