本局の模様はABEMAで中継されます。スタジオ解説は広瀬章人八段と金井恒太六段、聞き手は水町みゆ女流初段と脇田菜々子女流初段。有料放送では両対局者の個別カメラに加え、現地出演の山崎隆之八段、稲葉陽八段、室田伊緒女流二段によるスペシャル企画が楽しめます。
【ABEMA】
https://abema.tv/channels/shogi/slots/CZyVoJyR94Erkf
【マルチアングル放送(有料)】
https://abema.tv/payperview/8vBX6RW2MnTY3H
本局の模様はABEMAで中継されます。スタジオ解説は広瀬章人八段と金井恒太六段、聞き手は水町みゆ女流初段と脇田菜々子女流初段。有料放送では両対局者の個別カメラに加え、現地出演の山崎隆之八段、稲葉陽八段、室田伊緒女流二段によるスペシャル企画が楽しめます。
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記者会見終了後は関係者を集めての食事会が開かれました。式の様子を紹介します。
■主催者挨拶 株式会社不二家 河村宣行代表取締役社長
「昨年は『コロコロしばちゃん』が話題になった。明日はお二方に洋菓子を召し上がっていただく。対局で使う頭脳の栄養補給になれば」
■主催者挨拶 日本将棋連盟 佐藤康光会長
「新人王戦から4年、お互いに進化を遂げた中での対局になる」
■特別協賛社挨拶 レオス・キャピタルワークス株式会社 藤野英人代表取締役社長
「私自身も将棋が好き。将棋で学んだことを投資に生かしたことで、今の成功があるのかなと思う」
■特別協賛社挨拶 株式会社SBI証券 坂本英文執行役員常務
「全国の将棋ファンから熱視線が注がれる。後世に残る名勝負になることを願う」
■協賛社挨拶
豊田通商株式会社 森畑明総務部長
「日本の伝統文化の振興・発展に役立ちたいと思い、豊田自動織機さんと一緒に協賛させていただいている」
■第1局協賛者挨拶 神田神社 清水祥彦宮司
「『己に勝つを賢とし、己が心に負けて悩むを愚とす』という言葉がある。お二人が己に勝たれますように」
■対局者抱負 藤井聡太叡王
「出口六段はたいへん勢いのある挑戦者。私自身も気持ちを新たに戦っていきたい」
■対局者抱負 出口若武六段
「自分の力が出る展開になれば。至らない点がたくさんあるが、一局ずつ成長していけたら」
検分を終えた両対局者は記者会見に臨みました。
――叡王戦第1局が今年度の初対局になりますが、その点についてお願いします。
藤井 3月の順位戦からしばらく対局がなく、久しぶりの公式戦ということで、緊張感もありますし、よいスタートを切りたいと思います。公式戦の対局はありませんでしたが、今までと同じように調整していました。
――挑戦者の出口若武六段につきましては。
藤井 出口六段は非常に強い内容で勝ち上がってきていて、手強い相手だと思っています。
――これまでのタイトル戦は実績のある先輩にぶつかっていく格好でした。今回はご自身よりもあとにプロになった出口六段が相手になります。そういう立場になったことに、思うところはありますか。
藤井 自分としては、今までのタイトル戦と違うという点で、新鮮であります。気持ちを新たに戦っていきたいと思います。
――棋士としては出口六段は後輩になりますが、年齢が上で、ご結婚もされていて、人生の先輩になりますが。そのあたりについて出口六段の印象は。
藤井 自分が奨励会のころに将棋を教えてもらったこともあり、温厚で余裕のある方という印象です。
――第1局に臨む意気込みを教えてください。
藤井 久しぶりの公式戦ということで、検分を終えて、緊張感を感じたところがあります。集中して対局していければと思っています。
――3月9日以来の公式戦で、スポーツ選手などは、久しぶりだと不安を感じる人もいると思うのですが、そのあたり、感覚を取り戻すのは大変そうですが。
藤井 やっていないので、わからないところがあるのですが、久しぶりの対局が楽しみというところです。
――持ち時間や不二家さんが主催という点も含め、叡王戦の印象をお願いします。
藤井 叡王戦は持ち時間がチェスクロック使用の4時間ということで、ほかの番勝負より短い持ち時間になっているので、決断力が問われるのかな思います。不二家さんは、対局のときのおやつを提供していただけるということで、楽しみにしています。
――叡王戦と並行して、王位戦の防衛戦も始まると思いますが、王位戦のリーグの星取りなどは、把握されていますか。
藤井 叡王戦に加えて、棋聖戦、王位戦と防衛戦が始まります。棋聖戦は永瀬拓矢王座との対戦。王位戦も佳境を迎えているということで、注目して見ています。王位リーグはまだ挑戦される可能性のある方が多く、激戦なのかなと思います。
――今年は五冠ということで、5つの防衛戦と、残り3つの挑戦の可能性があるということで、意気込みを聞かせてください。
藤井 今年度は叡王戦、棋聖戦、王位戦と防衛戦が続くことになるので、まずはしっかり指してよい将棋にしていきたい。それ以外の棋戦でも、順位戦や王座戦など、挑戦できるよう頑張っていきたいと思います。
――叡王戦の挑戦までの道のりを振り返っていただくと。
出口 予選から非常に熱戦が多く、自分の力が出しきれたのかな思います。
――タイトル挑戦を決めたときの気持ちは。
出口 挑戦者決定戦のときは、何とか勝ちきれたという気持ちが大きかったのですが、日がたつにつれて、タイトル戦という大きな舞台で将棋が指せるということを実感してきました。
――対戦する藤井叡王の印象は。
出口 ひと言でいえば、強いという印象です。
――藤井叡王とはどんな存在ですか。ライバル?
出口 充実されている印象で、実力者です。新人王戦(三番勝負)でも当たりましたが、何かと大事なところで当たる方なのかなと思います。奨励会のころは長い持ち時間に慣れていなくて、(新人王戦は)負けてしまったのですが、最近は少し時間を使うことを覚えてきたので、前回よりは戦えるのかと思っています。
――初タイトル挑戦の秘訣などがあれば。
出口 特に何かを変えたということはなかったので、さきほど話した、持ち時間のことなど、棋士の将棋に慣れてきた面が大きかったのかなと思います。
――初タイトル挑戦のお気持ちは。
出口 慣れないこともあると思うのですが、盤面に集中して、一局を指せればという気持ちです。
――五番勝負はどんな戦いにしたいですか。
出口 白熱した将棋を指せればと思います。
――明日が誕生日ですが。
出口 明日で27歳ですね。そういった縁は叡王戦とあったのかなと。競った将棋で、藤井叡王にぶつかっていければと思います。
――師匠の井上慶太九段、奥さまの北村桂香女流初段からは、何かありましたか。
出口 師匠からは「頑張ってください」と。和服を買っていただいたときに、「理事として行くのは第5局になるので、それまでは」と。妻からは、妻も明日は対局なので、「お互いにいい将棋が指せるといいね」といったり、いわれたりしました。
――明日からの将棋で、どういった形になれば勝機があると思っていますか。
出口 序中盤をうまく乗り切る必要があると思います。序中盤もうまい方なので、ついていく形になればと。
――和服はどんなコンセプトで選びましたか。
出口 叡王戦が春から夏にかけてなので、それに合わせたものを意識して選びました。
――2年前の棋王戦で、藤井叡王に勝っています。何らかの後ろ盾になっていますか。
出口 結果として勝てたことは自分としては大きかったのですが、そのときの将棋は力戦形というか、想定の外の将棋だったので、相手の全力を受けて勝ちにいった将棋ではなかったというのは感じています。
(書き起こし=吟、撮影=文)
藤井聡太叡王に出口若武六段が挑戦する第7期叡王戦五番勝負が開幕します。藤井叡王は初防衛を、タイトル初挑戦の出口六段は初タイトルを目指す戦いです。第1局は4月28日(木)、東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」で行われます。立会人は島朗九段、記録係は福田晴紀三段(中川大輔八段門下)。大盤解説会は解説を佐藤天彦九段、聞き手を中村桃子女流二段が担当します。
対局開始は9時、昼食休憩は12時から13時まで。持ち時間は各4時間(チェスクロック使用)、使いきると1手60秒の秒読み。第1局のため振り駒を行って先後を決めます。
インターネット中継は棋譜・コメント入力を吟、ブログを文が担当します。
【主催:株式会社不二家】
https://www.fujiya-peko.co.jp/eiou/
【特別協賛:ひふみ】
https://hifumi.rheos.jp/
【特別協賛:株式会社SBI証券】
https://www.sbisec.co.jp/
【協賛:中部電力株式会社】
https://www.chuden.co.jp/
【協賛:株式会社豊田自動織機】
https://www.toyota-shokki.co.jp/index.html
【協賛:豊田通商株式会社】
https://www.toyota-tsusho.com/
【第1局協賛:江戸総鎮守 神田明神】
https://www.kandamyoujin.or.jp/
第1局 4月28日(木)東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」
第2局 5月15日(日)愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」
第3局 5月24日(火)千葉県柏市「三井ガーデンホテル柏の葉」
第4局 6月12日(日)愛知県名古屋市「か茂免」
第5局 6月19日(日)京都府京都市「全国天満宮総本社 北野天満宮」
以上で本日の中継を終わります。
ご観戦いただきまして、ありがとうございました。
感想戦後に出口六段の囲み取材がありました。
――本局の感想。
よく勝てたなという内容でした。最初から難しい展開になってしまい、自分の実力では読みきれない局面が多々あったのですが、最後まで粘り強く指すことができました。
――終盤では(一分将棋にもかかわらず1~2秒の)ノータイムで指す場面もあった。
△5七飛のあたりは勝ちだと思っていたんですけど、服部さんも最後は粘り強いので。(先手玉は)詰むのだろうなと思いながらも、いけなかったことが多かったですね。
――タイトル初挑戦と六段昇段が決まった。
私は棋士生活4年目に入ったんですけど、これといった実績を残せていなかったので、一つ、タイトル挑戦という結果を得られたのは、自分にとって大きなものだと思っています。
――タイトル戦では藤井聡太叡王と戦う。
挑戦者になって、やっとスタートだと思うので、目の前の一局に集中して自分が成長できるようなシーズンにしたいと思います。
――第49期新人王戦(2018年)の決勝三番勝負で藤井叡王に敗れたあと、「また強くなって戻ってきたい」と話していた。
新人王戦は一瞬で負けてしまったので。新人王戦の舞台に(再び)立つことはできなかったんですけど、タイトル戦という、もっと大きな舞台で藤井さんと番勝負ができるということは、ひとつ成長できたと思います。(藤井との新人王戦は出口が)三段だったので緊張がすごかったんですけど、今日は服部さんとは普段から知っている仲でもあって、落ち着いてできたのかなと思います。
――五番勝負の意気込み。
全力を尽くして頑張っていくので応援よろしくお願いします。
――今期の叡王戦全体を振り返って。
予選から相手が強くて激戦ばかりでした。どちらが勝つのかわからない将棋をすべて制してこれたのは自信になりました。
――キーとなった対局。
黒田さん(尭之五段)との予選は二転三転して。互いに一分将棋で無我夢中で指しました。それを制すことができて、気持ち的に手が前に延びるようになったと思います。
――飛躍の要因。
棋士になって3年、水に慣れたことが大きかったと思います。最初のほうと比べると、すごく緊張するようなことはなくなりました。
――環境の変化(1年前に北村桂香女流初段と結婚)はどのような影響があったか。
私生活では食事面とか寝る時間とか、健康に気を使うようになりました。将棋に関してはそれほど変わりはありません。
――モチベーションについては。
妻が対局を頑張っていると、自分も頑張らないといけないと思います。「観る将」ではないですけど、妻の将棋を見て応援することが増えました。そういった新しい見方ができるようになった気がします。
――北村女流初段と一緒に将棋の研究をすることはあるか。
妻の研究に加わることはあります。二人でやっているときもあります。
――井上慶太九段門下は強豪が多い。自分もタイトル戦に出なければ、といった思いはあったか。
そうですね、そんなに……。目の前の一局に集中していたら挑戦できたといった感じでした。逆にそれくらいの気持ちがよかったのかなと思います。
――藤井対策について。
対策といえるかわかりませんが、自分の力が100パーセント出るような形を目指したいと思っています。きっちりとした対策は今後考えていきます。
――強豪を倒してプロ4年目にタイトル挑戦を決めた。
3月は初めて経験する日程でした(対局数はかなり多かった)。そこを乗りきれたのは大きかったと思いますが、実感がわかないというのが正直なところです。ただ、自分は棋士になるのが遅かったので、普通の人よりも早い段階で活躍しなければいけないとは思っていました。
――プロになる前後のときから「タイトル戦に出たい」という気持ちはあったか。
そんなにすぐ挑戦というのは、自分の中ではあまり考えていませんでした。去年まではベスト8が自分の壁だったので、とりあえずはベスト4を目標にしていました。これからはタイトルに挑戦してもおかしくない人だと思われるように活躍していくことが大事かなと思っています。
――師匠の井上慶太九段には報告するか。
昇段したときはいつも報告しているので電話しようと思います。
――本局は先に時間を使いきって苦しい将棋だったか。
正直、激戦だなという気持ちでやっていたので、勝ってる負けているとは、そんなに考えていませんでした。その局面でいちばんいい手は何かと考えていたので。難しい局面が続いているという認識でした。
――千日手模様になったが、成算があって打開したのか。
読み抜けがなければ勝ちだと思っていました。もともと勝ちの流れかなと思っていたのですが、あのあたりから「挑戦者になる」という気持ちがふわふわしてきて(同一手順を繰り返して)時間を稼いでしまいました。そのあとハプニングがあって、服部さんが少しかわいそうだとは思いました(記録係が不在で指せない時間帯があった)。しょうがないですけども。
――いま好調だという認識はあるか。
いつも同じような気持ちでやっています。自分は連敗連勝型のタイプで、今年度もけっこう連敗してしまい、課題を払拭できていません。それもあって調子がいいとは思っていませんでした。
――本局の前に師匠からアドバイスはあったか。
まるで何もありません(笑)。師匠も気を使われたのかなと思います。
――藤井叡王の強さについて。
よく考えて集中されて、目の前の一局に全力を尽くされているのが強いところだと思います。
――タイトル戦ではどのような将棋を見せたいか。
どちらが勝つのか分からない将棋をお見せできたらと思います。
――本局のポイント。
△5四桂を打ったところは、さすがにちょっと勝ちだと思っていました。狙っていた手でした。服部さんはちょっとうっかりした様子でした。ずっとお互いの玉の距離感が難しく、(△5四桂のあとも)中段玉で読む量の多い将棋だったので、時間が少ないというのがネックでした。
――△5四桂について。
△5四桂は詰めろで、かなり保険もかかっている手です。先手の竜の横利きを止める、△6六金もある、飛車も取れると3つくらいの意味があって、一気に3手くらい指せるならさすがに勝つかなと思いました。