第43期決勝三番勝負第2局 Feed

2012年10月23日 (火)

自陣飛車

94永瀬五段は3四金を見捨てて自陣飛車を打ちました。
形勢は先手よしですが、後手も穴熊を頼りに粘ろうとしています。控室の検討陣は「永瀬君を倒すのはここからが大変」と実感のこもった感想をもらしています。
本譜の進行は△5一飛に▲6三馬△同金▲3四角成△2二竜。永瀬五段は竜も自陣に引きつけました。


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(16時50分ごろの控室)
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(写真中央は鈴木大介八段)
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(遠山雄亮五段)

(牛蒡)

先手優勢の声

91後手は2筋が開通しましたが、先手の角と馬の攻めが厳しそうです。△3一歩(80手目)が裏目に出ており、検討陣はふたたび先手持ちに変わっています。
本譜は図から△2九飛成▲6九歩と進んで、「永瀬五段の腕の見せ所ですね。どう受けますか」と中村修九段。


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(控室には4人目の歴代優勝者が登場。第12期を制した田中寅彦九段)

(牛蒡)

攻め合い

87藤森四段は6一角を4三に成りました。取れる金を取らず、飛車と角に狙いをつけています。対して永瀬五段は大駒を逃げずに△2七歩成。攻め合いを目指しました。


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(佐藤天彦七段は前期と第39期の2回優勝している)

(牛蒡)

△3一歩は妙手か疑問手か

80控室では候補手のひとつに△3二歩が挙げられていましたが、△3一歩は検討されていませんでした。△3一歩は▲2二歩△同飛(1)▲3一角と、4二金が移動した後の(2)▲3二角を消しています。 「先手に何もさせないつもりですか」と検討陣は驚いていました。

しかし図から藤森四段が指した▲8四歩が好評。△同歩には▲5一角△3二歩▲4二角成△同角▲4四飛があり、その展開は△3一歩をとがめています。形勢は揺れ動いているかもしれません。


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(受けを得意とする中村修九段も△3一歩に驚く)
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(山口恵梨子女流初段)
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(片上大輔六段)

(牛蒡)

検討陣は後手持ちの見解

79控室では仕掛けのあたりでは先手作戦勝ちと言われていましたが、現在は後手持ちの声が増えています。中村修九段は「△5五角(54手目)がしっかりした攻防の手でした」といいます。後手は2筋攻めが間に合いそうですが、図ですぐに△2七歩成とするか、それとも△3二歩と受けてから△4三金を狙うか。


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(対局開始前の永瀬五段)

(牛蒡)

72手目コメントの変化

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【72手目の棋譜コメントを抜粋(一部改編)】
継ぎ盤の検討は図から▲2六角△同歩▲4四飛△6六角(参考1図)。
以下、(1)▲4二歩成△4四角▲3二と△7一飛▲3三と△同角▲3七桂(参考2図)、
(2)▲3四飛△2三金▲3二角△3四金▲2一角成(参考3図)といった順が検討されている。
どちらも華々しい順で、一気に終盤戦になる変化だ。

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(牛蒡)

15時のおやつ

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(対局者にはフルーツとお菓子の盛り合わせが出される)
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(控室の検討陣には大皿で)
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(みかんも山盛り)

(牛蒡)

戦いが始まる

68先手は4筋、後手は2筋を攻めています。
図の▲4三歩は△同金なら▲3二角の狙い。対して永瀬五段は△2六角と飛車取りに打ちました。▲3七角と合わせてくれば、そこで4二金を逃げるのでしょう。田村六段は62手目に△2六角を指摘していましたが、永瀬五段は先手に▲3七角を打たせたかったようです。また、この角打ちの裏には、普通の攻め合いでは2筋が間に合わないという判断もありそうです。


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(藤森四段は後手のカウンターにどう対処するか)

(牛蒡)

田村六段の解説

61「ひとめは△2六角と出てみたい。そこで▲4九飛が普通ですが、▲2八飛△2五歩▲4六角もあるかもしれません。後手に馬を作らせますが、▲3五歩と▲6五歩を絡めて攻めを狙います。しかしここ数手は先手が少し損をしたように思います。たとえば▲8五歩(57手目)を突くなら後手が手待ちしている間に指しておきたかった」(田村六段)


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(田村六段を中心に検討が進められている)

(牛蒡)

14時ごろの控室

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(田村康介六段=中央は第34期の優勝者。先手持ちの見解のようだ)
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(渡辺弥生女流1級。藤森四段が勝てば第3局の観戦記を担当する)
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(しばらくして藤井猛九段も控室へ。本棋戦は過去に3回優勝している)

(牛蒡)