控え室では後手が良いと見られていたが、図の△4七金を見て田村六段は「これは阿部君、悪いと思ってますよ。▲4八金打△5八金▲同金△4七金…で千日手にしかならない」。
(吟)
図は▲2五銀と先手が銀を助けた局面。後手が△1六歩からの一直線の順を見送ったことに、「後手が変調ではないか」の声がとぶ。明快な順は見送ったが、局面自体はまだ後手持ちの意見が多い
「図の▲3七歩に△1六歩▲3六歩△1七歩成(変化図)と踏み込めば、後手が優勢です」と控え室の田村六段。「しかし躊躇すると怪しくなりますよ」とも語った
真田七段-西村九段の検討に田村康介六段が加わる。西村九段は当然、阿部四段の方を持って検討している
昨年の新人王の広瀬王位が再び控え室へ。継ぎ盤の前に座り検討している。やはり今期の新人王の行方が気にかかるのだろう
阿部の師匠である西村九段が控え室のモニターをじっと覗き込んでいる。西村門下、藤井猛九段(3回)、三浦弘行八段(1回)に続き3人目の新人王になれるかどうか。師匠も気が気ではないだろう。藤井九段・三浦八段と較べて阿部四段ついて質問すると「兄弟子2人も研究熱心ですが、さらに勉強熱心ですね」と西村九段
図は△3八飛に▲4九玉を入れての△7三桂。「垂れ歩が入って△7三桂はずいぶん得した気がします」と真田七段。「これは後手ペースになったんじゃないでしょうか」島九段
対局室と控え室にフルーツの盛り合わせとおやつが運ばれた
阿部の手番であるが、加來アマも一心不乱に読み耽っている様子がモニターに映っている
阿部が王将を持つ。静山作の逸品だ
加來アマが玉将を持つ。水無瀬書の文字が見える。玉・飛接近の形をどうまとめるか注目が集まる