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服部 仕掛けが軽率で、苦しい時間が長かったかと思います。なので、何とか1つ勝つことができて、ホッとしています。
――55手目▲6三歩のときに攻め合いに出た判断は?
服部 ▲6二歩成を受ける手も難しいので、何か攻め合いにいくしかないのかなと思いました。しかし、桂を跳べたところで(△5七桂成と)桂を成ったとしても相手の穴熊にはあまり響かないので、こちらも銀を1枚剥がされる(5二まできたと金が▲4一と~▲3一とで銀を取る)展開で、形勢としては実戦的に勝ちにくいかなと思いました。
服部 (80手目)△5六角▲4七歩△5七桂成で結構難しいのかなと思いました。そこで▲2三銀成とこられて、そこからも本当に……。最後、(107手目)▲2八銀に△4六歩とつないで攻めが切れない形になって、なおかつ自陣が堅いので、ちょっと勝ちでもおかしくないのかなと思いました。
――黒田五段、昼食休憩明けの▲4八飛から猛攻する展開の形勢は?
黒田 突き詰めれば居飛車がよくなるのかもしれないのですが、実戦的には人間同士なら互角か少々振り飛車持ちかと思いました。
――どのあたりで流れがおかしいと思ったか?
黒田 割りと終盤まで互角以上はあるのではないかと思っていたのですが、△3二角(100手目)で相手玉が寄らない形になったので、厳しいことになったと感じました。
――両者に。1勝1敗のタイになった。最終局に向けて。
服部 次は最後になるので、悔いのない、いい将棋を指したいと思っています。
黒田 次、勝ったほうが優勝という分かりやすい形になったので、全力を尽くして挑みたいと思います。
――服部五段に。新人王戦もタイになり、ほかの重要な対局もいろいろあって対局数も1位。体調面の手応えは?
服部 対局は多いですが、普段と変わらずにいつもどおりを意識してやっています。特に心がけていることはありませんが、体調だけは崩さないようにと思っています。
(飛龍)
第53期新人王戦決勝三番勝負第2局は、服部五段の勝ちとなりました。終局時刻は16時35分。消費時間は▲黒田2時間55分、△服部2時間58分(持ち時間各3時間、チェスクロック使用、切れたら1手60秒未満の着手)。
本局の結果、両者1勝ずつでフルセットに。第3局は11月1日(火)、大阪市福島区「関西将棋会館」で行われます。
(虹)