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2019年10月

2019年10月28日 (月)

新世代の将棋

39図は昼食休憩明けに増田六段が▲8八角と引いた局面です。ここで控室に増田六段の師匠、森下卓九段が来訪しました。
「いやー、▲8八角ですか。そうやるものですか。まったく考えなかった手ですね。私の世代の感覚にはない手です」(森下九段)
新人王戦にふさわしい、新世代による新感覚の将棋になっているようです。

Img_7877 森下卓九段。

Img_7881 森下九段の定番の差し入れ、「末廣饅頭」(たねや)。手軽に食べられて味が良く、控室でいつも人気の品だ。

(八雲)

対局再開

Img_7856 12時35分頃、両者ともに早めに盤の前に戻って考えていた。

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Img_7866 再開が告げられると、増田六段はすぐに▲8八角を着手した。

Img_7868 高野四段は気合いの入った表情で考えていた。

Img_7870 そろそろ本格的な戦いが始まりそうだ。

(八雲)

昼食休憩

38図の局面で増田六段が29分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲増田46分、△高野56分。昼食の注文は、増田六段が「にぎり(特上)」(千寿司)、高野四段は注文ありません。対局は12時40分に再開します。
「△4四銀は▲4八玉と上がられて、そのあとの手が難しいと思ったのですが、実戦の△3三角がいい手ですね。こうなると先手の動き方も難しくなった感じで、いい勝負だと思います」(鈴木九段)

Img_7840 昼食休憩中の対局室。

Img_7843 休憩時の盤面。

Img_7855 にぎり特上(千寿司)。

(八雲)

後手の方針は

35図は11時20分頃の局面。ここまでの消費時間は▲増田8分、△高野43分。
控室では鈴木大介九段と阿部光六段が検討しています。
「いやあ、後手を持ってみたものの、次に指す手が全然わかりません」(鈴木九段)。
高野四段は受け身の棋風のため、攻め将棋の鈴木九段は方針が見えにくいようです。継ぎ盤では、図から△6四歩、△5三銀、△4四銀を候補手として検討されていますが、「自分の棋風だと後手が良くなるイメージが出てこないですね。高野四段の師匠の木村(一基)王位なら、どう指せばいいのか見えるのかしれません」と鈴木九段。高野四段の構想が注目されます。

Img_7829 11時過ぎの控室。

Img_7830 鈴木大介九段。理事として、立会人の阿部光六段と共に対局開始に臨席した。

Img_7837 先手番を持って見解を示す阿部光六段。

(八雲)

対局開始 戦型は雁木模様に

Img_7790 増田六段の初手は▲2六歩。

Img_7792 高野四段は初手を見てしばし黙想。

Img_7794 高野四段の2手目は△8四歩だった。

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27図は10時25分頃の局面。先手はツノ銀型の雁木模様に。後手は矢倉型ですが△4四歩を突いていない形に特徴がある進行です。

(八雲)



対局開始前の様子

Img_7755 9時51分頃、両者が揃って対局の準備が始まった。

Img_7759 増田康宏六段。

Img_7766 高野智史四段。

Img_7771 小木曽陽司・新聞赤旗編集局長が振り駒を行って「歩」が4枚。先手番は増田六段に決まった。

(八雲)

2019年10月27日 (日)

第3局は10月28日(月)10時開始

第50期新人王戦決勝三番勝負は両雄1勝ずつを挙げて、いよいよ最終の第3局を迎えました。増田康宏六段が勝てば史上最多タイの3度目の優勝、高野智史四段が勝てば初優勝となります。
対局は東京・将棋会館にて10時開始。持ち時間は各3時間、先後は振り駒で決定します。本局の立会人は阿部光瑠六段、記録係は真木野芳紀が務めます。

本局の中継は棋譜・コメントを紋蛇、本ブログを八雲が担当いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2019年10月21日 (月)

ご観戦ありがとうございました

以上で本局の中継を終了します。1週間後に指される第3局もご期待ください。

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(睡蓮)

感想戦

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(睡蓮)

終局直後

Dsc_76201 (難解な競り合いを制して星をタイに戻した高野四段)

Dsc_76311 (敗れた増田六段。先にリードを奪ったが、生かせなかった)

Dsc_76251 (感想戦に先立ち、主催紙からインタビュー)

Dsc_76291 (高野四段は安堵の表情を見せていた)

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――まず高野四段にお聞きします。逆転勝ちだったかと思いますが、ご本人としてはいかがですか?

高野 はい、そうですね。苦しい時間が長かったです。

――三番勝負はタイに持ち込みました。

高野 1勝を返せてほっとしています。カド番の重みをすごく感じていたので。苦しい時間が長かったですけれども、自分から崩れなかったことがいい方向に出たのかなと思います。

――最後はお互いに詰むや詰まざるやの攻め合いでしたが、どの辺りで抜け出したと感じられましたか?

高野 本当に最後の、角を△3六同桂(最終手)と取ったところです。

――増田六段は、一局を振り返って、いかがですか?

増田 途中は歩得で形勢がいいのかなと思ったんですけど、△3一角(62手目)と引かれた局面でパッとした手が見つからなかったですね。その前に問題があったのかもしれません。

――いまの時点で、ここで形勢をおかしくしたと思われるところはありますか?

増田 やはり、△3一角を引かれておかしくなったなと。▲5八玉(59手目)~▲7九銀(61手目)はさらに▲6八銀とする構想で、玉を固めていちばんいいのかなと思ったんですが、微妙だったかもしれません。

――次が最終局となります。お一人ずつ、意気込みをお願いします。

高野 何とかこの流れのまま頑張りたいと思います。

増田 第3局は1週間後なので、気持ちを切り替えて臨みたいと思います。

(睡蓮)