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図は11時20分頃の局面。ここまでの消費時間は▲増田8分、△高野43分。
控室では鈴木大介九段と阿部光六段が検討しています。
「いやあ、後手を持ってみたものの、次に指す手が全然わかりません」(鈴木九段)。
高野四段は受け身の棋風のため、攻め将棋の鈴木九段は方針が見えにくいようです。継ぎ盤では、図から△6四歩、△5三銀、△4四銀を候補手として検討されていますが、「自分の棋風だと後手が良くなるイメージが出てこないですね。高野四段の師匠の木村(一基)王位なら、どう指せばいいのか見えるのかしれません」と鈴木九段。高野四段の構想が注目されます。
第50期新人王戦決勝三番勝負は両雄1勝ずつを挙げて、いよいよ最終の第3局を迎えました。増田康宏六段が勝てば史上最多タイの3度目の優勝、高野智史四段が勝てば初優勝となります。
対局は東京・将棋会館にて10時開始。持ち時間は各3時間、先後は振り駒で決定します。本局の立会人は阿部光瑠六段、記録係は真木野芳紀が務めます。
本局の中継は棋譜・コメントを紋蛇、本ブログを八雲が担当いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
――まず高野四段にお聞きします。逆転勝ちだったかと思いますが、ご本人としてはいかがですか?
高野 はい、そうですね。苦しい時間が長かったです。
――三番勝負はタイに持ち込みました。
高野 1勝を返せてほっとしています。カド番の重みをすごく感じていたので。苦しい時間が長かったですけれども、自分から崩れなかったことがいい方向に出たのかなと思います。
――最後はお互いに詰むや詰まざるやの攻め合いでしたが、どの辺りで抜け出したと感じられましたか?
高野 本当に最後の、角を△3六同桂(最終手)と取ったところです。
――増田六段は、一局を振り返って、いかがですか?
増田 途中は歩得で形勢がいいのかなと思ったんですけど、△3一角(62手目)と引かれた局面でパッとした手が見つからなかったですね。その前に問題があったのかもしれません。
――いまの時点で、ここで形勢をおかしくしたと思われるところはありますか?
増田 やはり、△3一角を引かれておかしくなったなと。▲5八玉(59手目)~▲7九銀(61手目)はさらに▲6八銀とする構想で、玉を固めていちばんいいのかなと思ったんですが、微妙だったかもしれません。
――次が最終局となります。お一人ずつ、意気込みをお願いします。
高野 何とかこの流れのまま頑張りたいと思います。
増田 第3局は1週間後なので、気持ちを切り替えて臨みたいと思います。
(睡蓮)