2024年7月24日 (水)

240724_111清麗戦第2局は17時42分、111手で加藤女流四段が勝ち、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻しました。消費時間は▲加藤3時間40分、△福間4時間0分(持ち時間は各4時間)。第3局は8月6日(火)に栃木県日光市「日光金谷ホテル」で指されます。

240724_087▲6四桂(図)が決め手級です。△7二玉を消しています。▲6四桂に(1)△同玉は▲6八金△同銀成▲6五飛△7四玉▲6一飛成と飛車を抜いて先手勝ち。(2)△6二金には▲6八金△同銀成▲6五金で後手玉が▲5三飛以下の詰めろです。加藤女流四段が勝利に向けて一気に距離を縮めました。

先ほどの「▲6七銀打の局面」で福間清麗が手を止めています。手番の福間清麗は前傾姿勢にならず、読みを深めている様子ではありません。一方、指し手を待ち構える側の加藤女流四段は、腕まくりをして体を揺らしています。対局姿からも形勢に差がついたことを感じられます。

240724_1553(15時53分の対局室映像)

240724_079現地は先手優勢の評です。図から△8八金▲同玉△6八竜▲7八金△7九銀と追っても▲9七玉に詰めろがかかりません。「局面がさっぱりしているため、福間清麗から細かい技を出すのも難しい状況です」と村山八段。先手には▲5三歩成、▲5一角成、▲7五桂など攻めの手がいくつもあります。はっきりと先手優勢です。

Dsc_1090(加藤女流四段)

240724_075福間清麗は先手の押さえ込みを突破したもの、そのために少し無理をしたでしょうか。図に至るまでの間に、3六成銀や3二金を狙われる変化がいくつもありました。▲1五角(図)は飛車角交換をほぼ確実にした手で、村山八段は「ひと目、痛そうです」。▲6三歩成のキズも残っていて後手玉は危ない形です。一方、先手玉は△5八竜に▲6七銀打で守りを強化できます。

Dsc_1483(加藤女流四段がうまく指している)

午後のおやつは15時に提供されますが、加藤女流四段は本人の希望で14時30分に出されます。注文は次の通りです。

加藤女流四段 くちばしマークの鮎焼きちゃん、アイスティー、グレープフルーツジュース
福間清麗   八駒ラスク、アップルジュース

Dsc_1585(鵜飼で獲れた鮎は体にくちばしの跡がつく。赤いものはグレープフルーツの餡)

Dsc_1619(ラスクの入れ物は鮮やかな犬山焼き)

犬山市民交流センター・フロイデ「フロイデホール」では、13時30分から解説会が始まっています。(参加申込は終了しています)

Dsc_1524_2(解説は柵木幹太四段)

Dsc_1545 (聞き手は北村桂香女流二段)

Dsc_1505

ホテルインディゴ犬山有楽苑は、1965年創業の名鉄犬山ホテルを建て替え、2022年3月にオープンしました。大成建設株式会社が施工に携わっています。

ホテルの目の前を木曽川が流れ、エントランスからは犬山城を間近で見ることができます。また、隣接する日本庭園「有楽苑」には、織田有楽斎が建てた国宝茶室「如庵」があります。季節の料理や天然温泉も魅力です。

オープンして間もない22年6月、お~いお茶杯第63期王位戦七番勝負第1局が同ホテルで指されました。名鉄犬山ホテル時代には、第38期王位戦第2局(1997年)と第57期王位戦第1局(16年)も開催されました。

Dsc_0533 

Dsc_0535(ロビーの目の前に犬山城)

Dsc_0955(ロビー近くのカウンターに盤駒があった。越山作、錦旗書、彫駒)

Dsc_0564(隣接する日本庭園の有楽斎にて。重要文化財の旧正伝院書院、国宝の茶室如庵)

Dsc_0557※如庵は元和4年(1618)に京都・建仁寺の塔頭に建てられました。
 明治以降に移築を繰り返し、昭和47年(1972)に現在地に移築。

Dsc_0866 (夜のホテルロビー)

Dsc_0905 

Dsc_0872(ライトアップされた犬山城とホテルの庭園。以上、7月23日に撮影)

240724_063福間清麗は△4七歩▲4九飛(図)を利かしましたが、△4三銀には依然として▲4五歩があります。飛車を止めたので△4五同銀と取れますが、▲5四角が金と成銀の両取りになります。福間清麗はまだ問題を解決できていません。時間をかけて考えています。

240724_1353 (13時53分の対局室映像)