2020年8月18日 (火)

63_2▲3六飛で昼食休憩入りしましたが、里見清麗はなかなか指しませんでした。
「後手に3、4通りの候補手があって、ガラッと展開が変わるんですよ。里見清麗は分岐点で、主導権を握っているともいえますけど」(中川八段)

実戦は、約47分考えて△4五銀でした。

64飛車を追い払い、△5六歩から大駒を働かせようとしています。「平凡な手だね。平凡な手のなかに妙手あり。大山康晴十五世名人はそうだったね」(中川八段)

202008181338(13時30分過ぎの対局室)

Seirei2020081801016312時、図の局面で里見清麗が14分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲上田1時間47分、△里見1時間11分。昼食の注文は上田女流四段が「上にぎり(シャリ小さ目)」(千寿司)、里見清麗が「うな重(梅)、肝吸い」(ふじもと)。対局は13時に再開します。

五番勝負を第1局から振り返ります。

第1局の先手は振り駒の結果、里見清麗になりました。戦型は相振り飛車になり、上田ペースから里見清麗が盛り返します。

56図は▲3五歩△同飛を利かせたところで、▲6四角が好手でした。

57

△7三銀なら▲6三歩△同金左▲4六角から▲6四歩が決まります。実戦は△7三桂▲4六銀左△3四飛▲3五歩△2四飛▲7三角成△同銀▲3六桂と進み、里見優勢になりました。

65飛車の逃げ場所がありません。そのまま里見清麗が押し切り、第1局を制しました。

【2020年7月4日 第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負 第1局 里見香奈清麗 対 上田初美女流四段】

55図は▲9四歩と垂らしたところです。△9四同香なら▲8六桂で香取りが受けにくいので、この歩は取れません。先手の狙いは端を味つけして▲3五銀を効果的にすることです。例えば、△1二香の手待ちなら▲3五銀△同銀▲同飛と進めます。

59参考図は▲9三歩成△同香▲9四歩△同香に、▲8五銀や▲8六桂の狙いが生じています。▲3五同飛に△2四角なら、▲3四飛から▲6四飛と玉頭に活用するのが有力です。

実戦は、▲9四歩に△9六歩と伸ばしました。▲9六同香なら△8四桂と反撃します。端の攻防がポイントになりそうです。

Dsc_1552(対局者に提供されているおやつ。yokumokuの「春夏期間限定 ミルク チョコ サンド クッキードゥーブル ショコラオ」、王様堂本店の「昔かきもち」)