2020年8月18日 (火)

135_2図は△7七銀に▲5九玉と引いたところ。挟撃態勢を築く△3七歩成がぴったりに見えますが、▲同飛△同香成に▲4四馬と王手で馬が復活します。里見清麗はそれを嫌って△7五角と出ましたが、▲6一香成で先手に手番が回りました。激戦です。

Dsc_1642(食いつく上田女流四段。本シリーズは長手数をすべて制しているが、はたして)

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▲9二歩は▲9一飛からの詰めろで、「小味な手だねぇ」と中川八段。△7一玉の早逃げには▲6四香や▲4四馬と迫ります。上田女流四段は嫌味をつけて、里見清麗を楽にさせません。

202008181816(▲9二歩に考える里見清麗)

11118時、▲9三歩成まで進んでいます。形勢は後手よしで、△9三同香から面倒を見て△9六角を決め手にすればいいようです。

Dsc_1633(玉頭戦から抜け出した里見清麗。防衛に近づいている)

今シリーズの手数に注目してみると、里見清麗が勝利した第1局は101手、第2局は110手。上田女流四段が制した第3局と第4局は、174手と153手です。データ上は、長手数になれば上田有利となります。

17時15分現在、▲9四桂までの手数は79手です。

79

里見2勝、上田1勝で迎えた第4局は、第2局に続いての急戦VSゴキゲン中飛車です。二転三転の激戦になりましたが、最後に上田女流四段の寄せが決まりました。

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▲8三桂成△同銀▲5二竜△同歩▲8三香成△同玉▲6三角成。竜を切って馬を作ると、後手は受けがありません。
151以下△7二桂▲6一銀で里見清麗が投了。上田女流四段がフルセットに持ち込みました。

【2020年8月6日 第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負 第4局 里見香奈清麗 対 上田初美女流四段】

77図は▲9三歩成と成り捨てたところ。後手はどれで取っても味が悪く、▲6五銀△8八角成▲同玉△5五角▲6六角△3七角成▲5四銀△同銀と決戦にされたときに玉が流れ弾に当たりやすくなります。中川八段は「渾身の勝負手」と評しました。

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▲8六桂で駒柱ができました。▲9三歩成△同玉▲8四銀△同歩▲9六香や▲8四銀△同歩▲7四桂打を見せて、力をためています。
里見清麗は△6五歩と攻めました。

74▲6五同銀は△8八角成▲同玉に△5五角の王手飛車があります。

Dsc_1626(上田女流四段はカウンターを楽しみに桂を据えた)

Dsc_1628(里見清麗は自玉の危険度を勘案しながら攻める必要がある)

2連敗であとがなくなった上田女流四段。第4局は得意の居飛車穴熊に出ました。
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▲3五歩に△2七歩▲同玉△5四桂が好手でした。▲3四歩△6六桂と進むと、△5四角の王手竜取りが生じています。

140忙しい終盤で先手を取れたのは大きく、△5八桂成もあるのではっきりしました。上田女流四段は174手で押し切り、シリーズ初勝利を挙げています。

【2020年7月31日 第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負 第3局 里見香奈清麗 対 上田初美女流四段】

第2局は7月10日(金)に東京・将棋会館で行われました。戦型は里見清麗のゴキゲン中飛車になり、上田女流四段が急戦に出ます。ぺースをつかんだのは里見清麗で、終盤にリードを拡大しました。

80▲6四桂に△6六歩が決め手です。▲7二桂成△同玉▲6一銀△8二玉▲5二銀成で後手玉は▲7二金以下の詰めろになります。

85しかし、以下△6八銀成▲同金△6七歩成▲同金△6九銀▲同玉△6七竜▲5九玉△6八金▲4八玉に△5八金が好手です。

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以下▲3八玉(▲5八同金や▲3九玉は先手玉が詰む)に△2六桂▲同竜△同角で後手玉の詰めろが消えてしまい、攻守が入れ替わります。

実戦は△6六歩に▲5七歩としましたが、△6七歩成▲同銀△5七歩成で先手玉に食いつくことに成功し、押し切っています。

【2020年7月10日 第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負 第2局
里見香奈清麗 対 上田初美女流四段】



Dsc_1687(15時20分ごろの控室。立会人の中川八段、日本将棋連盟会長の佐藤康光九段、西浦三郎・ヒューリック株式会社代表取締役会長が検討している)

Dsc_1692(居飛車党の中川八段)

Dsc_1689_2(佐藤康九段は里見側に座った)