2025年7月
両対局者、大盤解説会場に
終局直後
(終局直後の両者。このあとインタビューが行われた)
――守りの銀を繰り出す意欲的な序盤でした。▲6五銀右(29手目)とぶつけたあたりは予定の作戦だったのでしょうか。
福間 ひとつある形かと思っていました。
――▲3五同角(63手目)で、駒損覚悟で踏み込みました。
福間 昼食休憩明け、もう少しゆっくりとした展開にしたかったのですが、読んでいるうちに判断がつかなかったので、本譜でどうかと思っていました。
――駒損の流れでしたが、▲6四成銀(79手目)で駒得に転じます。中盤あたりから大駒や銀を捨てる派手な攻めが印象的でした。感触はいかがでしたか。
福間 こちらも一気に攻められる順がちらついていたので、よくはわかっていませんでした。流れは踏み込んでいくしかないのかなと思っていました。
(積極的に進めて勝利を収めた福間清麗)
――勝ちを意識した局面は。
福間 ▲4三成銀(83手目)と入って、▲1三歩(85手目)とたたける形になって、形勢はいいのかなと思いました。
――大きなアドバンテージを持って次局に臨みます。次局以降の意気込みをお願いします。
福間 力を出しきれるよう、引き続き頑張りたいです。
――△9四歩(36手目)や△2二玉(44手目)など、検討では「慎重な指し回し」との声がありました。序盤の駒組みについて振り返ってください。
渡部 本譜の展開は研究したことがあったのですが、思い出せなくなってしまい、手探りの状態です。本譜は▲3六歩(45手目)から▲3七桂(47手目)と組まれて自信がないと思っていたので、研究不足でした。
(渡部女流四段は力を出せなかった)
――角銀交換の駒得のあと、△6八角成(68手目)で馬を作って玉頭が手厚くなりました。
渡部 △6八角成で少し盛り返したかなと思ったのですが、本譜でもそれ以降うっかりがあり、読めていない手が多かったので、うまく粘れなかったです。
――あとがなくなって第3局を迎えます。次局以降の意気込みをお願いします。
渡部 勝ち星関係なく、一局を大切に準備して臨めたらと思います。
(書き起こし:武蔵)
第2局は福間清麗の勝利
大成建設杯第7期五番勝負第2局は、福間清麗の勝ちとなりました。終局時刻は16時20分。消費時間は、▲福間2時間28分、△渡部3時間51分(チェスクロック使用)。この結果、福間清麗の2連勝で、防衛にあと1勝と迫りました。第3局は8月7日(木)に、神奈川県足柄下郡「山のホテル」で指されます。