2024年7月

2024年7月10日 (水)

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昼食休憩後の指し手は▲8一飛成。竜を作りながら飛車に当てて自然な一着でした。しかし△5二飛あるいは△7一歩が手ごわく、飯野八段も時間を使ったのではという見解です。上図から▲6一竜は△5七歩成▲5二竜△同金▲5七金△8九飛で後手が指せそうと検討されていました。以下▲7二飛は△5一歩▲6二桂成△8一飛成でしのげます。

次の手は▲5五歩でした。飯野八段は「辛抱気味の手ですね」とコメント。ただ、後手もはっきりよくできるかは難しいようです。双方に主張がありますが、飯野八段は後手持ちとのことでした。

Dsc_0389(検討中の飯野八段。本日午前に撮影)

Dsc_0321001(福間清麗は今期防衛すればクイーン清麗の資格を得る)

東京都には大成建設の手がけた建物が数多く存在します。いくつかご紹介します。

Dsc_0007_2(恵比寿ガーデンプレイス センタープラザ・リニューアル工事)

Dsc_0057(HULIC SQUARE TOKYO。ヒューリック株式会社は第1期から第2期まで清麗戦の主催を担っていた)

Dsc_0060(帝国ホテル。1887年に創立され、その建設には大成建設が関わっている。なお、1922年に焼失したため、現在のものとは異なる)

Dsc_0070_2(コモレ四谷)

Dsc_0017(国立競技場)

Dsc_0027_2(国立競技場に寄ったので、近くにある現在建設中の新将棋会館も撮影した。新関西将棋会館も大成建設が整備事業者となる)

Dsc_0013(2024年9月に施工予定)

こちらは3年前の記事ですが、併せてご覧ください。

【大成建設と港区】
https://kifulog.shogi.or.jp/seirei/2021/09/post-0e7a.html

「The Okura Tokyo」は1962年に開業した「ホテルオークラ」が前身。2019年に現在の名称に変わりました。帝国ホテル東京、ホテルニューオータニと並ぶ『ホテル御三家』のひとつ。第3期の清麗戦五番勝負第1局で両者が対戦したときもこちらで行われました。41階建ての都市型ホテル「オークラプレステージタワー」と17階建ての静かで気品ある「オークラヘリテージウィング」による合計508室が設けられています。最寄り駅は「虎ノ門」や「虎ノ門ヒルズ」。館内、庭園には随所に和の心、わびさびが見られます。

Dsc_0072 (最寄り駅を降りて見上げればホテルのロゴが。目立つので初めての方でもわかりやすい)

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Dsc_0244(ホテルのすぐ近くには港区立江戸三坂公園。ビル群の近くあるオアシス)

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Dsc_0247(右に進み、エスカレーターの先からホテルの入り口につながる)

13時30分から小山直四段と本田女流三段による大盤解説会が行われています。小山直四段はタイトル戦の大盤解説を初めて務めています。

Dsc_0461(小山直四段は長身の棋士)

Dsc_0463(小山直四段は序盤から本局を振り返る)

Dsc_0466(本田女流三段)

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12時、この局面で福間清麗が13分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は、▲福間1時間18分、△加藤1時間39分。昼食の注文は、福間清麗が「ビーフカレー、コーンスープ、オレンジジュース」。加藤女流四段が「五目焼きそば(ハーフサイズ)、かにの卵入りふかひれのスープ」。対局は13時から再開されます。

Dsc_0403(福間清麗の注文の品)

Dsc_0414(加藤女流四段の注文の品)

Dsc_0417(控室では「ハーフサイズにしては大きい」という声が聞かれる)

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39分の長考で指された▲7四桂に、控室が反応しました。△7五銀▲同銀△同飛を防いだ意図ですが、あまり筋のいい手ではありません。本田女流三段は意外そうな声を上げ、飯野八段は「第一感だったんだけど恥ずかしくて言えなかった」と苦笑いを浮かべていました。小山直四段はすぐに△8三桂を示します。7五歩を取ってしまえば7四桂がタダで取れる仕組みです。そこで先手はどう切り返すのか。福間清麗の構想に注目です。

Dsc_0393(大盤解説会の解説を務める小山直四段。飯野八段の隣に座り意見を述べる)

Dsc_0391(本田女流三段。「ここにいる3人はみんな居飛車党だから(振り飛車を持って)さばけない」と話して場に笑いが)

本局を迎えるまでの両者の対戦成績は福間清麗の43勝13敗。現在、福間清麗が5連勝中です。戦型は対抗形がほとんどで、福間清麗が先後を問わず中飛車を採用することが多いです。加藤女流四段といえば超速のイメージがありますが、最近では丸山ワクチンや居飛車穴熊を採用しており、対策の幅を広げている印象です。本局は急戦でしたが、今シリーズの軸になるのでしょうか。

Dsc_0156(前日開幕式より。ふたりの物語はまだまだ続く)