感想戦のあと、里見香奈清麗の防衛記者会見が行われました。
(主催社の大成建設株式会社から花束が贈られた)
(花束贈呈のあと、記者会見が行われた)
--第1局から第3局は先手が勝っていて、後手番での戦い方が大切なのかなと思いましたが、本局ではどのような対策をされたのでしょうか。
「第2局では終盤に1手で崩れてしまい、もったいない将棋にしてしまったので、第2局と同じような将棋にするか迷いましたが、新しい形に挑むことにしました。一手一手考えて作り上げていく将棋にしたかったです。同じ角交換の将棋ではあるのですが、全く異なる形になったので、力戦形になったと思います。考えている時間は難しくて苦しかったけど、充実していました」
--大阪のなんば(センタラグランドホテル大阪)という、新しい対局場もあったシリーズでしたが、振り返ってください。
「第3局は今年オープンしたホテルで対局させていただいて、なかなか最近の女流棋戦では大阪対局がほぼなかったので、関西所属の女流棋士としてはうれしく、励みになりました。第1局から第3局までいろいろなところで対局させていただいて、細かい部分まで大成建設さまにお気遣いいただいて盤上に集中することができました。本局は慣れた関西将棋会館で集中して指せました」
--その慣れた関西将棋会館が大阪府高槻市に移りますが、新会館を盛り上げられればという思いがあるのでしょうか。
「はい、高槻は市長さんが将棋にご理解ある方ですし、大変楽しみにしています」
--これからも今期の挑戦者である西山朋佳女流三冠との戦いが続くと思いますが、西山女流三冠の印象を教えてください。
「西山さんとは昨年すごく対局数が多くて、今年も清麗戦の五番勝負があって対局数がこれからも増えていくと思います。毎局新しい局面で、読みの違いを感じることもあって新鮮さがあります」
--5期中4期獲得というのは圧倒的な成績かと思います。第1期から清麗戦を戦ってきた印象、来期に向けた意気込みをお聞かせください。
「清麗戦ができた当初は、大型の女流棋戦を作っていただいて大変うれしい気持ちがありました。それからはコロナ禍でタイトル戦を行うにあたって難しい時期だったと思いますが、その中で主催の方々には対局前後も気をつかっていただいて、集中できる環境を整えていただきました。それが力になって対局できるところもあります。来期も頑張ります」
--全4局の中で印象に残った場面はありますか。
「やっぱり第2局で負けた将棋がパッと浮かびます。やや苦しい局面から難しくなって、そこで残り時間があるにもかからわずパッと指した手が大悪手で一方的になってしまったので、そこが悔やまれるところであり、シリーズを通して自分の弱さが見えたので修正していきたいです」
--霧島酒造杯女流王将戦での挑戦の可能性はなくなりましたが(注:本戦トーナメント準々決勝で敗退)、岡田美術館杯女流名人戦やマイナビ女子オープンでは挑戦の可能性があり、八冠は難しくても七冠の可能性はあります。周囲の期待もあるのではないでしょうか。
「光栄なことにそう言っていただくことはあって、そういう声が励みになっているところはあります。でも継続的に勝ち続ける大変さは実感していて、まだまだ力不足です」
既報の通り、大成建設杯第5期清麗戦は里見香奈清麗が3勝1敗で防衛しました(2期連続4期目)。
以上で今期の中継を終了いたします。第6期にもどうぞご期待ください。ご観戦ありがとうございました。