(大成建設株式会社建築営業本部の大屋龍一郎統括営業部長から花束の贈呈が行われた)
【里見香奈新清麗インタビュー】
――清麗は前期奪取されてしまったタイトルでした。1期での復位について。
里見「前期は力不足を実感しました。今期は1、2局目と課題の残る将棋ではありましたが、自分の力を出しきれたと思います」
――清麗というタイトルへの思いは。
里見「清麗というタイトル称号は個人的にかっこいいと思っていて。大成建設様にはタイトル戦を作っていただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
――清麗に復位して女流五冠となりました。過半数を制したことについて。
里見「今期も課題の残る将棋はありました。次に生かせるように勉強していかないといけないという気持ちと、まだまだ実力不足が目立ちますので、安定した将棋を指せるように頑張りたいです」
――全冠制覇を期待するファンについて。
里見「相当、難しいと思いますので、目の前の対局の力を尽くせるよう頑張りたいです」
――加藤前清麗についての印象や、事前の対策はありましたか。
里見「加藤さんは勢いよく攻められると同時に、悪くなっても粘り強い印象です。研究も深くされていますので、そのあたりに気をつけながら準備をしていました」
――このシリーズに向けての準備や研究はありましたか。
里見「自分があまり指したことのない戦型選択をしましたが、難しさを感じるところもあり、そのあたりが今後の課題だと思っています。ただ、大きな舞台で挑戦できたことはよかったです」
――今後の対局に向けての抱負を教えてください。
里見「ありがたいことに対局がいい間隔でついているので、目の前の対局に力を尽くせるよう、体調を整えて頑張りたいです」
――好成績を収められ、充実しているように思います。理由は何かありますか?
里見「昨年から女流棋戦の対局数が増えたのが大きいです。やはり対局が最大の勉強で、それによって生活にハリが生まれました。また、谷川先生に4人の研究会で将棋を教えていただく貴重な時間は本当にありがたいことです」
――第1局での四間飛車の採用は珍しかったように思います。
里見「将棋の基本である矢倉と四間飛車に憧れがありました。研究勝負ではなく、力勝負をタイトル戦で指したいという気持ちがありました。清麗戦は女流棋戦最長の持ち時間で、一手一手考えて将棋を作り上げていくということに重点を置いていました。研究で終わるような将棋にはしたくありませんでしたし、加藤さんと互いに力を出して将棋を作り上げたかったので指しました」
――過密日程のなかで心がけていることはありますか。
里見「最も基本となる体調管理です。研究で行き詰まることもありますが、自分が深めたい戦型や新しい形を掘り下げていくことを、なるべく自分の中で楽しみが生まれるようにやっています」
共同記者会見より抜粋
(撮影=琵琶 書き起こし=武蔵)