2021年10月
終局直後
【里見香清麗の談話】
――出だしは実戦例が多く、お二人の対戦でもあった進行でした。そこから銀冠囲いを目指して工夫されたと思いますが、それは指してみたい形だったのでしょうか。
里見 何個かあったんですけど、本局はこれでいこうかなと。
――40手目△6五銀から仕掛けられた辺りは。
里見 もう少しゆっくり指されるかなと思っていたんですけど、動かれて。難しいかなと思ってやっていました。
――△4七銀(60手目)と打たれたところの形勢は。
里見 こちらは仕方ない進行でしたが、その進行であれば、互角か互角以上あってほしいなと思いながら指していました。
――どの辺りで形勢の手応えをつかまれましたか。
里見 ▲5三と(75手目)でと金が使える展開になったので、そこは指しやすくなったかなと思っていました。
――第4局に向けての抱負は。
里見 次は後手なので、しっかり準備して臨めたらなと思います。
【加藤桃女流三段の談話】
――左美濃に組むのは予定の作戦でしたか。
加藤 はい。
――早い段階で決戦に出られました。その辺りの判断はいかがでしたか。
加藤 リスクはあるんですけど、仕掛けられそうだったので。待つ手もあったかもしれませんが、比較ができていなくて、自分らしさを求めて仕掛けていきました。
――△4七銀(60手目)と打ったところは。
先に食らいつけそうなので、自信を持って指していたんですけど、白黒ハッキリする展開なので、もしかしたら私のほうが悪い可能性もあるかなと思いながら指していました。
――どの辺りに誤算があったと思われますか。
加藤 △8三竜と引くところで……、恥ずかしいんですけど、△5八歩が利くと思っていて。攻め合えないのでは、ちょっと勝ち目が薄いかなと思って指していました。
――第4局に向けて。
加藤 来月なんですけど、体調を整えて。今回負けてしまいましたが、気持ちを切り替えて、また前を向いてやっていきたいなと思います。
里見香清麗が1勝を返す
五番勝負第3局は、里見香清麗が117手で勝ちました。第4局は11月9日(火)に「関西将棋会館」で行われます。