2021年9月23日 (木)

加藤桃女流三段の軌跡

今期、加藤桃女流三段は全女流棋士と同様に予選からのスタートでした。初戦で武富礼衣女流初段に敗れ、幸先の悪い出だしでした。通常の棋戦ではこれで終了ですが、1敗までチャンスが与えられているのが本棋戦の特徴です。

Dsc_0798 もう1敗もできない中、再挑戦トーナメントでは相川春香女流初段、長沢千和子女流四段、甲斐智美女流五段、室谷由紀女流三段、竹部さゆり女流四段、山根ことみ女流二段を撃破し、本戦に進出。本戦で香川愛生女流四段を、挑戦者決定戦で鈴木環那女流三段に勝ち、挑戦者の座に就きました。

2021061865 上図は本戦の香川女流四段戦。▲7五飛に対し、△2五歩が狙いの歩突きでした。▲2五同歩は△1五歩▲同歩△2五桂▲2六金△1七歩が一例で穴熊を崩しにいけます。本譜は▲8五飛としましたが、△2六歩▲同銀△8四歩▲8六飛△4六歩▲同歩△同銀▲同金△2六角からペースを握ることに成功しました。

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続いて挑戦者決定戦の鈴木女流三段との対戦です。鈴木女流三段は今期、充実著しい戦いぶりを見せており、他棋戦では敗れています。

2021071455 次の手が決め手でした。△9五角が粘りを許さない好打です。以下▲7七桂△4九桂成▲同玉(▲6八玉は△5五飛~△5七角)△4八歩▲5九玉△5七銀と進み、粘り強い鈴木女流三段を62手の短手数で投了に追い込みました。

2021071462加藤桃女流三段は里見香清麗の厚い壁を崩せるでしょうか。今シリーズは目が離せません。