2020年8月18日 (火)

記者会見

感想戦終了後、里見清麗による記者会見が行われました。

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――改めて、防衛を果たした心境をお願いします。

里見 第5局まで来てしまったのですが、なんとか結果を出せてほっとしています。

――コロナ禍の影響などもあって、日程の変更などもあったと思いますが、そのあたりも含めて、今回はどんな五番勝負でしたか。

里見 五番勝負が開催できるかわからない状況でしたので、開催が決まったときは対局できるという喜びを感じていました。大変な状況ではありましたが、自分にできることを精一杯できたらいいなと思っていました。

――対戦相手が上田女流四段で、これまでもタイトル戦で戦ったことがある相手ですが。改めて今回対戦して、どんな印象を持たれましたか。

里見 後手番のときは同じような形になりましたが、先手番では相振り飛車など新しい形もありました。上田さんは、将棋を指されるときは、自信を持って指されているように実感していました。

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――後手番では中飛車が続きましたが、そこにはどのような気持ちがありましたか。

里見 第4局から今日まで少し時間がありましたので、どの戦型にするのか悩んではいたんですが。違う形にもしようかと思いましたが……、最終的には同じ形になって、自分から手を変える形になりました。そんなに深くは研究していなくて、持ち時間の中で考えて、力を出せればと考えていました。

――今回タイトルを防衛して、通算で41期となって、清水市代女流七段の記録にあと2つに迫りました。そのあたり、ご自身では意識されたことはありますか。

里見 自分のタイトル数はあまり気にはしていなかったのですが、それだけの結果を残せたということは嬉しいと思います。ですが、同時にもう少し力をつけて頑張っていかないといけないなということも、強く感じています。

――将棋界では、渡辺明新名人が誕生したり、藤井棋聖の誕生など、話題になることが多かったですが、何か刺激を受けることはありましたか。

里見 藤井棋聖の活躍はもちろんですが、個人的には渡辺名人の将棋が好きで、名人戦も観戦していましたが、ああいった精度の高い将棋が指せるようになれればなと思っています。

――渡辺名人の将棋の魅力というのはどのあたりでしょうか。

里見 渡辺名人の感想戦を見るのが凄く好きで。凄くわかりやすいというか。形勢判断が常にはっきりされているなということを感じます。わからない局面の中でも、自分の方針を決めて、ああいった形勢判断ができるようになりたいと思っています。

――実は、今日は渡辺名人が記者室に来られていて、本局の検討を最後までされていました。△7五角(136手目)が決め手で素晴らしい手だと言っていましたが、ご自身ではいかがですか。

里見 その前がだいぶひどいことになっていまして。はっきりした決め手を逃がして、焦って間違えて逆転されてしまった場面がありましたので。△7五角と出たところで少し残しているのかなとは思いましたけど。時間がなくなってからの終盤があらためて課題だなと思いました。

Dsc_1799(渡辺明名人が里見の終盤を「キレてる」と評したことを聞かされて、里見清麗は照れ笑いを浮かべた)

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以上で第2期清麗戦の中継を終了します。ご観戦いただき、ありがとうございました。