2020年8月

2020年8月18日 (火)

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▲8六桂で駒柱ができました。▲9三歩成△同玉▲8四銀△同歩▲9六香や▲8四銀△同歩▲7四桂打を見せて、力をためています。
里見清麗は△6五歩と攻めました。

74▲6五同銀は△8八角成▲同玉に△5五角の王手飛車があります。

Dsc_1626(上田女流四段はカウンターを楽しみに桂を据えた)

Dsc_1628(里見清麗は自玉の危険度を勘案しながら攻める必要がある)

2連敗であとがなくなった上田女流四段。第4局は得意の居飛車穴熊に出ました。
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▲3五歩に△2七歩▲同玉△5四桂が好手でした。▲3四歩△6六桂と進むと、△5四角の王手竜取りが生じています。

140忙しい終盤で先手を取れたのは大きく、△5八桂成もあるのではっきりしました。上田女流四段は174手で押し切り、シリーズ初勝利を挙げています。

【2020年7月31日 第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負 第3局 里見香奈清麗 対 上田初美女流四段】

第2局は7月10日(金)に東京・将棋会館で行われました。戦型は里見清麗のゴキゲン中飛車になり、上田女流四段が急戦に出ます。ぺースをつかんだのは里見清麗で、終盤にリードを拡大しました。

80▲6四桂に△6六歩が決め手です。▲7二桂成△同玉▲6一銀△8二玉▲5二銀成で後手玉は▲7二金以下の詰めろになります。

85しかし、以下△6八銀成▲同金△6七歩成▲同金△6九銀▲同玉△6七竜▲5九玉△6八金▲4八玉に△5八金が好手です。

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以下▲3八玉(▲5八同金や▲3九玉は先手玉が詰む)に△2六桂▲同竜△同角で後手玉の詰めろが消えてしまい、攻守が入れ替わります。

実戦は△6六歩に▲5七歩としましたが、△6七歩成▲同銀△5七歩成で先手玉に食いつくことに成功し、押し切っています。

【2020年7月10日 第2期ヒューリック杯清麗戦五番勝負 第2局
里見香奈清麗 対 上田初美女流四段】



Dsc_1687(15時20分ごろの控室。立会人の中川八段、日本将棋連盟会長の佐藤康光九段、西浦三郎・ヒューリック株式会社代表取締役会長が検討している)

Dsc_1692(居飛車党の中川八段)

Dsc_1689_2(佐藤康九段は里見側に座った)

63_2▲3六飛で昼食休憩入りしましたが、里見清麗はなかなか指しませんでした。
「後手に3、4通りの候補手があって、ガラッと展開が変わるんですよ。里見清麗は分岐点で、主導権を握っているともいえますけど」(中川八段)

実戦は、約47分考えて△4五銀でした。

64飛車を追い払い、△5六歩から大駒を働かせようとしています。「平凡な手だね。平凡な手のなかに妙手あり。大山康晴十五世名人はそうだったね」(中川八段)

202008181338(13時30分過ぎの対局室)