2020年10月 1日 (木)

戦型は先手三間飛車

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戦型は石本女流初段が得意の三間飛車を採用し、対抗形になりました。
中井女流六段は持久戦にしつつも、先手が石田流への組み替えを見せてきたところで仕掛けていきました。

(玉響)

挑戦者決定戦までの道のり

これまでに数々のタイトルを獲得してきた中井女流六段に、若手ホープの石本女流初段が挑む構図になりました。中井女流六段は、本局に勝つと16年ぶりに三番勝負に進出します。石本女流初段はプロデビューからわずか1年で、第3回女子将棋YAMADAチャレンジ杯で優勝した実績がありますが、タイトル挑戦が懸かるのは本局が初めてです。

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※画像はクリックで拡大できます

(玉響)

対局開始

A7303093(対局は定刻通り開始された)

A7303098(初手▲7八飛を着手する石本女流初段)

A7303106(2手目△8四歩を着手する中井女流六段)

A7303113

(玉響)

朝の様子~対局開始前

A7302966(石本女流初段は9時35分には着座していた。写真左は本局の観戦記を担当する渡辺弥生女流初段)

A7302976(中井女流六段は9時46分に到着した)

A7302987

A7303011(中井広恵女流六段)A7303019(石本さくら女流初段)

A7303038(記録係の安食総子女流初段による振り駒の結果は「と金」が3枚。石本女流初段の先手と決まった)

(玉響)

挑戦者決定戦

第28期大山名人杯倉敷藤花戦は、いよいよ挑戦者決定戦を迎えました。
勝ち上がったのは中井広恵女流六段と石本さくら女流初段。勝者が里見香奈倉敷藤花への挑戦権を獲得します。
対局開始は10月1日(木)10時、持ち時間は各2時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒未満の着手となります。先後は振り駒で決定します。

■主催:倉敷市、倉敷市文化振興財団、山陽新聞社

【倉敷市公式ホームページ】
https://www.city.kurashiki.okayama.jp/
【アルスくらしき】
https://arsk.jp/
【山陽新聞社】
https://c.sanyonews.jp/

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/kurashikitouka/kifu/28/kurashikitouka202010010101.html

本局の中継は棋譜コメントを文、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。

(玉響)

2019年11月24日 (日)

記者会見

就位式終了後、両対局者の記者会見が行われました。

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【里見香奈倉敷藤花 記者会見】

--5期連続、通算10度目の倉敷藤花に就位されたご感想をお聞かせください。
「初めて獲得したタイトルでしたので、印象が一番強いタイトルだと思います。(清水市代女流六段と獲得数で)並ぶということは歓迎会で聞くまで知らなかったですが、注目されていることは大変光栄に思いましたし、清水さんのような実績のある方と一緒の結果を残すことができて、うれしく思います」

--本局を振り返っていただけますか。
「最初はテンポよく進めていましたが昼食休憩前(59手目▲8九飛の局面)にちょっと思わしい対応がわからなくて、持ち時間2時間にしてはだいぶ長考になってしまったので、残り時間も少なくなりましたし、局面も守勢を余儀なくされていたのであまり自信はなかったです。ただ局面ごとに集中して自分の持っている力を出しきろうということで、局面に純粋に集中できていたところはよかったと思います」

--昨日は一貫性がなかったと話していましたが、50分の長考は昨日の反省もあったのでしょうか。
「昨日は読みがまとまっていないまま指していたり、予定変更をたくさんしたりで、自分としては残念な対局でした。結果というより内容に残念な気持ちが強かったので、今日は時間を使っても納得して指そうと思いました。そんなに長考していたとは気づかなかったです」

--勝ちを意識したのはどのあたりでしょうか。
「最後のあたりですかね。△5六歩(106手目)と突いて、金銀をたくさん持って寄せに入った段階では勝ちになったと思っていました」

--女流王将戦、女流王座戦もありましたが、体調面はいかがでしょうか。
「食事の面でも肉体的な休養の面でも気をつかっているので、風邪は引いていませんし、自分なりに気をつけています」

--家族の存在を支えにされていると思います。10期の節目に家族の存在をどう思われているか教えてください。
「昨日は家族が見にきてくれていて、終わったあとに一緒に食事をしました。初めての倉敷藤花戦のときから見にきてくれていますし、勝ち負けに関わらずいい意味で将棋のことを忘れさせてくれたり、次に向かう活力をくれたりするので、本当にありがたい存在です。だからこそがんばらないといけないと思います」

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(里見香奈倉敷藤花)

【伊藤沙恵女流三段 記者会見】

--第2局に勝たれて今日の最終局を迎えられました。集中して対局を迎えられたのでしょうか。
「今日は先後も決まっていなかったので、昨晩はゆっくり身体を休めようと思っていました」

--今日の対局は全体を通して、いかがでしたか。
「ずっと難しい形勢なのかなと思っていまして、当たり前ですがミスしたほうが形勢を損ねるという将棋なのかなと思いました」

--明確な悪手がはっきり見えなかったのですが、ご自身の中では何かありましたか。
「4六歩の形がいかにもコビンが開いていて危ない形だったので、それに神経を使いながら攻めていくような展開でしたが、1手1手難しく、攻めもクリーンヒットしているようではなかったです。攻めていくほうは切れると一瞬で終わるので、こちらのほうが指し手を考えやすいのかなと。難しい将棋でした」

--倉敷藤花は2回目の挑戦。初タイトルに向けても強い思いを持たれていると思います。里見倉敷藤花に阻まれることが多いと思いますが、今後に向けてこういうところをがんばっていきたいという抱負はありますか。
「自分なりに一生懸命やってきたつもりではありましたが、今回もタイトルには届かなかったので……。いま終わったばかりなので、今後のことは浮かんでこないです」

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(伊藤沙恵女流三段)

以上で第27期大山名人杯倉敷藤花戦の全ての日程が終了いたしました。今期もご観戦いただきましてありがとうございました。

(翔)

就位式の模様

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(すぐに就位式が行われるのが、倉敷藤花戦の大きな特徴)

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(棋士、関係者が出席する)

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(清水市代・日本将棋連盟常務理事から就位状を受け取り、深々と頭を下げる里見香奈倉敷藤花)

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(目録を受け取る)

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(伊東香織・倉敷市長から大山名人杯を受け取る。後ろには手助けする男性職員も)

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(岡荘一郎・倉敷市文化振興財団理事長から、記念品の目録を受け取る)

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(敗れた伊藤沙恵女流三段にも、日下知章・山陽新聞社取締役 倉敷本社代表から記念品の目録が手渡された)

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(防衛した里見倉敷藤花の挨拶)

「昨日に引き続き、ご観戦いただきまして誠にありがとうございます。関係者の皆様、ありがとうございました。昨日は不甲斐ない内容になってしまいましたが、今日は気持ちを新たに指すことができました。明日からも少しずつ棋力向上ができるよう勉強に努めてまいります。来年もまたこの場に足を運んでいただきますとうれしく思います。本日は長時間、ありがとうございました」

(翔)

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