2012年10月 1日 (月)

穴熊にかみつく

_84矢内女流四段が△7九銀(図)と穴熊にかみつく。とにかく王手がかかる形にするのが、穴熊を寄せる際のポイントだ。後手玉はほとんど詰み筋のない形で、気がねなく攻めに専念できる。形勢は後手よし。


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(14時40分頃の控室。井道千尋女流初段、石橋幸緒女流四段、中倉宏美女流二段らが検討中)

(文)

後手、反撃のチャンス

_73中井女流六段の攻めに矢内女流四段が5筋からさばき、攻め合いの様相を呈してきた。後手は角が取られる形だが、先手が利かした▲6二歩がポイント。ここに歩があることで、受けに使えなくなっているためだ。先手はもう一手指せれば攻めの態勢が整うが、この瞬間は飛車も中途半端な位置だ。後手は反撃のチャンスが回ってきたといえる。一例は△7八歩▲同金△6六歩で、と金攻めを狙えば先手は受けが難しい。この順は▲6二歩をとがめている。ここで有効打が入れば、後手がおもしろい展開になりそうだ。


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(文)

うまく争点を作る

_56_2中井女流六段は図から▲6六歩と合わせた。戦線を広げるための手だ。△6六同歩は▲同銀△6五歩▲7五銀と攻め込んでいける。後手は飛車が角筋に入っているので、非常に動きにくい。互角の全面戦争は穴熊ペース。先手がうまく争点を作った印象だ。実戦は△5六歩▲同飛△3三桂▲6五歩△同銀▲3六飛(下図)と進んでいる。


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(対局再開時の中井女流六段。穴熊の強みを生かせそうだ)

(文)

本格的な戦いに

_56対局再開から手が進み、いよいよ戦いが始まった。先手は飛車の動きと2筋を絡めて手を作りにいく。図で▲2二歩は△3三桂と跳ねられ、これは△1二香も生きる展開になりそうだ。▲3六飛と寄り、いったん使う筋をずらすのだろうか。


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対局再開

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昼食休憩時の対局室

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(中井女流六段の王将。「菱湖(りょうこ)書」と駒の書体が刻まれている)
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(矢内女流四段の玉将。「富月作」と駒師の名が刻まれている)
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揺さぶり

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中井女流六段は▲2六飛(図)と浮いた。次に▲4六飛や▲3六飛を見せた揺さぶりだ。後手も△4二飛、△3二飛と対応した手があるので受かっているように見えるが、▲6四角~▲5三銀、▲2四歩△同歩▲2二歩の筋との組み合わせがあり、すべてを受けることは難しそうだ。とすれば後手は攻めを見据えたいところ。ひと目見えるのは△7五歩だが、ここは自陣のキズを作る手でもあるので、ノーリスクというわけでもない。矢内女流四段はどう対応するのだろうか。
12時10分、この局面で昼食休憩に入った。消費時間は▲中井1時間5分、△矢内1時間4分。対局は13時に再開される。

(文)

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