第30期倉敷藤花戦三番勝負第1局

2022年11月 2日 (水)

昼食休憩

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12時、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲西山51分、△里見1時間7分。昼食の注文は、里見倉敷藤花が「海老フライ&カニクリームコロッケ盛り合わせ(白米小盛)」(レストランイレブン)、西山女王・女流王将が「親子丼」(やまがそば)。対局は13時に再開します。

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(虹)

後手の積極策

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両陣とも整い、いよいよ開戦です。継ぎ盤で検討していた畠山鎮八段は少し前の局面で「△3六歩ならば激しくなりますよ」と話していましたが、実際にそう進みました。

「ここまでくればリズムで、音感みたいなものです」(畠山鎮八段)

Img_2862(4手目△4二銀を着手する里見倉敷藤花。現局面では後手番ながら積極的に踏み込んだ)

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両者の対戦成績

Senseki_4※シリーズ別の結果。勝敗欄はタイトル保持者から見たスコア。

両者の対戦成績は、里見倉敷藤花の24勝、西山女王・女流王将の23勝(奨励会時代の対戦も含む)。女流タイトル戦での対戦は、里見倉敷藤花が4度、西山女王・女流王将が6度、それぞれシリーズを制していました。

今年だけですでに4シリーズを戦い、そのうち3シリーズはフルセットの大熱戦。そして2シリーズは先月に決着がついたばかりという興奮冷めやらぬ中、女流棋界の頂上決戦がこの倉敷藤花戦でさらに繰り広げられます。

(虹)

おやつ

11時、両対局者におやつのドリンクが運ばれました。注文は、里見倉敷藤花が「アイスミルクティー(無糖)」、西山女王・女流王将が「アイスコーヒー」。また、おやつとして「芋プリン」が対局者用控室に朝の時点から用意されていました。

Img_2897(芋プリン)

Img_2920(甘すぎない味わい)
※対局者とは別に注文したものを撮影

Img_2908(里見倉敷藤花の注文)

Img_2904(西山女王・女流王将の注文)

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西山朋佳女王・女流王将

Img_2848 (西山女王・女流王将はまだ倉敷藤花戦で負けなし)

1995年6月27日生まれ、大阪府大阪狭山市出身。伊藤博文七段門下。2021年、女流三段。2022年、女流四段。女流棋士番号は73。タイトル戦登場は17回。獲得は白玲1期、女王5期(永世女王)、女流王座2期、女流王将3期の計11期。

倉敷藤花戦の成績は6勝0敗。今期が初参加です。
船戸陽子女流三段、高浜愛子女流1級、千葉涼子女流四段、貞升南女流二段、伊藤沙恵女流名人、香川愛生女流四段に勝って挑戦権を手にしました。

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里見香奈倉敷藤花

Img_2823 (里見倉敷藤花は現在、白玲・清麗・女流王座・女流王位も保持している)

1992年3月2日生まれ、島根県出雲市出身。森けい二九段門下。2004年、女流2級。2020年、女流六段。女流棋士番号は33。タイトル戦登場は65回。獲得は倉敷藤花12期(クイーン倉敷藤花)、白玲1期、清麗3期、女王1期、女流王座5期(クイーン王座)、女流名人12期(クイーン名人)、女流王位8期(クイーン王位)、女流王将8期(クイーン王将)の計50期。

倉敷藤花戦の成績は40勝9敗。第16~20・23~29期の計12期で三番勝負を制しました。
自身初獲得の女流タイトルが倉敷藤花でした。そして第20期の防衛によりクイーン倉敷藤花の称号を得ています。

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対局開始前の様子

Img_2710(先に入室したのは西山女王・女流王将)

Img_2737(里見倉敷藤花は9時45分に入室。40分には関西将棋会館に姿を見せていた)

Img_2809(早いペースで駒を並べ終えると、記録係の榊女流2級が白布を広げて駒を手に取る)

Img_2816(駒を手渡された原孝吏・倉敷市副市長が振り駒を行った。と金3枚で西山女王・女流王将が先手に)

(虹)

戦型は相振り飛車

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対局開始から25分、早いペースで序盤の深いところまで進行しています。戦型は両者の間でお馴染みの相振り飛車。互いに三間飛車でしたが、西山女王・女流王将は向かい飛車に構え直しています。

Img_2882(立会人の畠山鎮八段は控室に戻ってくると、すぐに継ぎ盤で関係者向けに解説を始めた)

「この戦型は両者の間で何局も指されていますが、本局は少し西山さんが変化をつけてきている印象です。(図の△5三金直をモニターで確認すると)力強いですねー」(畠山鎮八段)

Img_2893(日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段が関係者へのあいさつのため控室を訪れた。対局開始の様子も、対局室の外から静かに見守っていた)

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対局開始

振り駒の結果、と金が3枚出て西山女王・女流王将の先手となりました。

Img_2778b(西山女王・女流王将)

Img_2775b(里見倉敷藤花)

Img_2752b(朝の御上段の間)

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第30期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負開幕

里見香奈倉敷藤花(女流五冠)に西山朋佳女王・女流王将が挑戦する第30期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負。里見倉敷藤花には8連覇が、西山女王・女流王将には初参加での戴冠がそれぞれ懸かっています。先月だけでもふたつの女流タイトルを奪い合った両者ですが、また新たな番勝負が始まります。

Ryousya


第1局は11月2日(水)に大阪市福島区「関西将棋会館」で行われます。対局開始は10時。持ち時間は各2時間(チェスクロック使用、切れたら1手60秒未満の着手)。番勝負開幕局のため、先後は振り駒で決定します。昼食休憩は12時から13時です。
立会人は畠山鎮八段、記録係は榊菜吟女流2級、山陽新聞観戦記の執筆は北村實さん(倉敷市にある大山名人記念館の館長)がそれぞれ務めます。

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