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2014年11月21日 (金)

前夜祭(4)

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甲斐智美倉敷藤花のあいさつ
「皆様こんばんは、本日はこのような温かいおもてなしをいただきまして、誠にありがとうございます。本日は夕方頃こちらに来たのですが、対局場のホールを検分いたしまして、昨年の三番勝負をついこの前のことように思い出しておりました。倉敷を訪れるのは今年の夏の倉敷王将戦(小学生の全国大会)以来です。町並みなども覚えており、懐かしい気持ちになりました。これまで何度か倉敷を訪れているのですが、いつも地元の皆様が温かく迎えてくださり、来るたびに思い出が自分の中に残っていくのを感じます。地元の皆様の将棋に対する熱意や熱い思いを感じまして、亡くなられた大山先生の将棋に対する思いが、地元の方々に受け継がれているのだなと感じております。明日からはいよいよ第2局ということで三番勝負も佳境に入っておりますけれども、自分なりに一局一局の中で決断を大切にして、自分の力を出し切って良い将棋が指せるように精一杯努力したいと思っております。最後になりましたけれども、いつもお世話になっております倉敷市の皆様、倉敷文化振興財団様、山陽新聞社様、そして関係者の皆様に心よりお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました」

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山田久美女流四段のあいさつ
「本日は本当に盛大な歓迎会を催していただきまして、誠にありがとうございます。私は倉敷市には何度も訪れております。倉敷藤花戦に関する対局や、また女流棋士のペア将棋や青空将棋などイベントでも来させていただきました。倉敷の駅前は『街』という感じなのですが、少し歩いて美観地区に入りますと穏やかな川が流れておりまして、ほんとに落ち着く町並みだなと感じております。冒頭のペア将棋では運良く優勝できたり、倉敷藤花戦の1回戦をここで戦ったときは苦しい将棋を最後に勝つことができたりと、倉敷は非常にゲンの良い場所であります。明日はどうなるか分かりませんが、私なりにそういったゲンの良い所という気持ちもありますし、皆様に見ていただいて面白い将棋だなと思っていただける内容になるよう、明日は一生懸命頑張りたいと思います。最後になりましたが、倉敷市様、倉敷市文化振興財団様、山陽新聞社の皆様、関係者の方々にはいつも本当にお世話になっておりまして、女流棋士一同で感謝を申し上げます。本当に本日はありがとうございました」

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(大山名人杯を挟んで記念撮影)

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(明日ネット中継解説を務める有森浩三七段も前夜祭を訪れていた。島九段、師匠の有吉九段と語らう)

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岡 荘一郎・倉敷市文化振興財団理事長からの激励の言葉
「まずは一言、皆様にお知らせしたいことがあります。明日の対局で使用される将棋盤のことでございます。実は数々の名勝負が行われました羽澤ガーデン(東京都)の歴史ある名盤が、先日この倉敷市にご寄贈いただきました。倉敷藤花戦の重みがさらに増したのではないでしょうか。
 私は東京で行われた第1局とその前夜祭に参りました。タイトル戦の中に地方名が入っているのは倉敷藤花戦だけだと理事の方からお聞きし、とても名誉なことだと認識を新たにしました。その後「明日は10時からの対戦ですが、早めに来てください」と言われました。先後を決める振り駒をさせていただいたのです。力を入れすぎて駒を飛ばしてはいけないので、早めに行って3回も4回も振り駒の練習をしてから対局室に入りました。
 対局室では両対局者が張り詰めた独特な雰囲気の中、正座でビシッと座られています。盤の横に白布を広げていただきまして、甲斐倉敷藤花の5枚の歩を記録係の方が取って私に渡してくださいました。振り駒は歩が3枚出て甲斐倉敷藤花の先手番に決まりました。非常に名誉なひとときを過ごさせていただきました。帰りの新幹線で電光掲示板に「第1局は甲斐倉敷藤花が先勝」と出ておりました。余分なことを申し上げますと第1局の前夜祭の後、山田女流四段が「私の母親から『命を懸けて明日戦え』とメールが来ました」と教えてくれました。さっき今日のメールはどうですかと聞きました。「あれはプレッシャーになりすぎたと思ったのでしょうか。今日は何も来ていません」とおっしゃられていました。本当に和やかであり、真剣であり、そして品格を持った倉敷藤花戦。どうか明日の熱戦を期待しております」

前夜祭の模様は以上です。
明日の第2局もお楽しみください。

(写真=翔、書き起こし=太郎)

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