常磐ホテルは1929年(昭和4年)に創業した老舗ホテル。JR甲府駅から車で10分足らずの湯村温泉郷にあり、貴賓客の宿泊も数多く、甲府の迎賓館として親しまれてきました。約3,000坪の日本庭園を囲むように離れがいくつもあり、ホテル棟からは南アルプスや富士山を遠望することもできます。井伏鱒二や山口瞳が愛した宿としても知られます。二人とも作家であると同時に愛棋家でもありました。
常磐ホテルは、将棋や囲碁のタイトル戦を数多く開催してきました。番勝負の後半を受け持つことが多く、その前に決着した場合は開催されないこともよくあります。タイトル戦開催を支える、縁の下の力持ちのような存在です。
女流棋戦では2021年から今年4月まで、4年連続で第14~17期のマイナビ女子オープン第2局が開催されています。一方、棋士のタイトル戦は、21年8月の第6期叡王戦第2局、▲豊島将之叡王-△藤井聡太王位・棋聖戦以来となります。豊島藤井戦のあと、以下7回の開催が予定されていましたが、いずれも開催には至りませんでした。
21年12月 第34期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)
22年6月 第80期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
22年10月 第70期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
22年12月 第35期竜王戦七番勝負第7局(第6局まで)
23年6月 第81期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
23年10月 第71期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
23年12月 第36期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)
藤井叡王が常磐ホテルで指すのは第6期叡王戦以来、今回が2回目。2019年には「将棋の日in甲府」の開催に合わせ、第32期竜王戦第4局の検討陣の一人として常磐ホテルを訪れています。伊藤七段は今回、初めて訪れたとのことです。
【常磐ホテル公式】
https://tokiwa-hotel.co.jp/
【常磐ホテル営業部長、小沢行広さんのインタビュー|将棋連盟(2017年)】
https://www.shogi.or.jp/column/2017/01/296.html