2024年6月19日 (水)

常磐ホテル

常磐ホテルは1929年(昭和4年)に創業した老舗ホテル。JR甲府駅から車で10分足らずの湯村温泉郷にあり、貴賓客の宿泊も数多く、甲府の迎賓館として親しまれてきました。約3,000坪の日本庭園を囲むように離れがいくつもあり、ホテル棟からは南アルプスや富士山を遠望することもできます。井伏鱒二や山口瞳が愛した宿としても知られます。二人とも作家であると同時に愛棋家でもありました。

常磐ホテルは、将棋や囲碁のタイトル戦を数多く開催してきました。番勝負の後半を受け持つことが多く、その前に決着した場合は開催されないこともよくあります。タイトル戦開催を支える、縁の下の力持ちのような存在です。
女流棋戦では2021年から今年4月まで、4年連続で第14~17期のマイナビ女子オープン第2局が開催されています。一方、棋士のタイトル戦は、21年8月の第6期叡王戦第2局、▲豊島将之叡王-△藤井聡太王位・棋聖戦以来となります。豊島藤井戦のあと、以下7回の開催が予定されていましたが、いずれも開催には至りませんでした。

21年12月 第34期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)
22年6月 第80期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
22年10月 第70期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
22年12月 第35期竜王戦七番勝負第7局(第6局まで)
23年6月 第81期名人戦七番勝負第6局(第5局まで)
23年10月 第71期王座戦五番勝負第5局(第4局まで)
23年12月 第36期竜王戦七番勝負第7局(第4局まで)

藤井叡王が常磐ホテルで指すのは第6期叡王戦以来、今回が2回目。2019年には「将棋の日in甲府」の開催に合わせ、第32期竜王戦第4局の検討陣の一人として常磐ホテルを訪れています。伊藤七段は今回、初めて訪れたとのことです。

【常磐ホテル公式】
https://tokiwa-hotel.co.jp/
【常磐ホテル営業部長、小沢行広さんのインタビュー|将棋連盟(2017年)】
https://www.shogi.or.jp/column/2017/01/296.html

Dsc_5397(常磐ホテルの外観)

Dsc_5382(ロビーから庭園が見える)

Dsc_5365(庭園に面した離れの「九重」が対局場)

Dsc_5413(館内には、開催してきた将棋や囲碁のタイトル戦にまつわる品が展示されている)

Dsc_5414(第6期叡王戦五番勝負第2局、常磐ホテル。藤井叡王は挑戦者として戦った)