第54期決勝三番勝負第2局 Feed

2023年10月23日 (月)

アヤのつけかた

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控室では藤本四段がやや指しやすいと見られていますが、図から△7五歩▲5六金△7六歩▲同銀に△5四歩(下図)と進めた順を見た畠山鎮八段は「上野四段はさすがのアヤのつけかたを見せていますね」とここ数手の後手の指し方についての印象を述べました。図から▲5四同歩は△7七角成▲同桂に△3八角が飛車金両取りになって一気に形勢は逆転します。先手は5筋の歩を取れないため、畠山鎮八段は▲4四歩の突き出しを示しました。△同歩なら▲5四歩が可能になり。また△4四同角なら後に△5五歩に▲同銀が角に当たる仕組みです。

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(立会人を務める畠山鎮八段。新人王戦は第28期に準優勝の経験がある)

(潤)

おやつ

14時30分、両対局者におやつが用意されました。注文は両者とも「ロトンヌ」、またドリンクとして藤本四段が「温茶」、上野四段が「ホットコーヒー」を選んでいます。ドリンク類は対局室に、そのほかは対局者用控室にそれぞれ運ばれます。

Img_5491_2(藤本四段のおやつ。「ロトンヌ、温茶」)

Img_5484(上野四段のおやつ。「ロトンヌ、ホットコーヒー」)

Img_5473(用意されたのはマロン味のロトンヌ)

(潤)

控室の風景(2)

14時頃、控室に日本将棋連盟常務理事で、両対局者の師匠でもある井上慶太九段が控室を来訪しました。Img_5451(先手側に座り、畠山鎮八段と継ぎ盤検討を始めた井上慶太九段。第16期に優勝経験がある)

Img_5461(弟子同士の対局をどのような気持ちで見ているだろうか)

Img_5467(井上九段は63手目▲4七金の局面を、やや先手持ちの見解。楽しそうな表情で検討していたのが印象的だった)

(潤)

関西将棋会館とその近郊

関西将棋会館とその近郊を撮影しました。
Img_5209_2(関西将棋会館。以下、写真はすべて数日前の夕方に撮影したもの)

1981年に建設された大阪市福島区にある関西将棋会館は、老朽化に伴い、来年度中にも高槻市への移転が決定しています。決勝三番勝負がこの地で開かれるのも、今期が最後となる可能性もあります。

Img_5222(関西将棋会館1階にあるレストラン「イレブン」)

レストラン「イレブン」は、ここ福島区の関西将棋会館の始まりと同時に、42年の歳月をともにしてきました。名物料理である「珍豚美人(チントンシャン)」は棋士の昼食としても人気のある料理で、将棋ファンの間でも馴染み深い一品です。

Img_5233(上福島東公園。関西将棋会館から北東に1分ほどに位置する)

上福島東公園は関西将棋会館から最も近くに位置する公園。JRや阪急電車の大阪駅から歩いて関西将棋会館に行き来する際、この公園内をよく通ったというファンの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

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Img_5238(公園内は新緑に満ち溢れている)

Img_5242(ほぼ草木が占める中、数本の花が咲いていた)

(潤)

驚きの声

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図から上野四段は△1二歩の辛抱。1歩損でありながら謝って手を渡す順で、攻め合いを予想していた控室では驚きの声が上がっています。ただ、続けて「それでも勝負はこれから」という声も聞かれました。

Photo_2(1歩損ながら端を謝る辛抱を見せた上野四段)

(潤)

控室の風景

2023102354上野四段は自然に△3五同歩。控室を本日の関西将棋会館の対局立会人を務める藤原直哉七段が来訪し、畠山鎮八段とともに継ぎ盤を囲んでいます。
図以下▲1五歩△同歩▲2五桂△2二角▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲同桂成△同角に(1)▲1五香△2四角▲1二香成のとき、「それは後手持ちだけどなぁ」と藤原七段は見解を述べつつ△3六歩(参考1図)と突き出しました。途中で(2)▲2六香にも△3六歩と伸ばし、▲2三香成には△2八歩▲同飛△2七歩▲同飛△3五桂(参考2図)の返し技が利くとのことです。

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Img_5430(13時すぎ、控室では畠山鎮八段と藤原直哉七段の継ぎ盤検討が始まった)

Img_5439(藤原直哉七段は本日、関西将棋会館の対局立会人を務める)

Img_5435_2(検討の変化に笑みを浮かべる畠山鎮八段)

(潤)

再開後の一手は▲3五歩

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藤本四段は対局再開後も10分ほど使うと、▲3五歩と攻めていきました。この手を見た畠山鎮八段は「ここで攻めていくのが現代将棋ですか。▲6九玉と引きたいところでしたが、攻めていけるならすぐやると。藤本さんは自信を持っていそうです。現局面から△6四銀左▲3四歩△5五角というのもちょっとどうかと思いますし、私は先手を持ってみたいです」との感想を述べました。

Photo(対局再開後、藤本四段は3筋から仕掛けていった)

(潤)

対局再開

Img_5418(12時30分。再開10分前に藤本四段が対局室に戻ってきた)

Img_5419(上野四段は12時36分に戻ってきた)

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Img_5423(12時40分に対局が再開された)

Img_5429(再開後も藤本四段に着手はなく、タブレットの消費時間が刻まれていった)

(潤)

両対局者の昼食

Img_5391(藤本四段の昼食。やまがそばの「カツ丼」)

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Img_5402(上野四段の昼食。ふな定の「うな重」)

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(潤)

昼食休憩

2023102352 図の局面で藤本四段が21分考えたところで12時となり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲藤本1時間5分、△上野53分(チェスクロック使用)。昼食時の注文は藤本四段がやまがそばの「カツ丼」。上野四段がふな定の「うな重」。対局は12時40分に再開されます。

Img_5411(昼食休憩時の盤面)

Img_5416(昼食休憩時の御上段の間)

(潤)