図は11時50分頃の局面。佐藤天六段は△6四銀~△7五歩と軽快に仕掛けていった。このまま黙っていると先手陣のほうが良くなりそうなので、早めにアクションを起こすのは理にかなっている。控室では藤井九段が先手を、中川八段が後手を持って検討している。その内容の一部を紹介しよう、左図から▲6五歩△同銀▲5五角△9二飛▲7五歩△5四銀▲8八角△8二飛▲7七桂△6四歩▲8五歩△6三金▲8六飛△8三歩▲5八玉△3二玉▲4八玉△4二銀▲3九玉△4四歩▲7六銀△4三金▲6七銀△4五歩▲5八銀△4四角(参考図)。バラバラに見えた陣形がきれいにまとまっていく過程は、なにかの手品を見ているよう。
12時10分、△7五歩の局面で昼食休憩に入った。昼食の注文は佐藤天六段が上にぎり(千寿司)、豊島六段が肉どうふ定食(みろく庵)。対局は13時から再開される。
(文)