終局直後
(主催紙インタビューが行われた)
――まずは感想を。
服部 今期、最後の新人王戦になりますので、いい内容でと思っていました。先日、他棋戦ではあまりいい内容ではなかったので、今日どうなるかちょっと不安もありました。中盤は分からないところが多かったのですが、一局を通してそんなにミスもなく指せたのかなと思っています。
斎藤 中盤で△4六歩(46手目)を軽視していて、それでいっぺんに形勢を損ねてしまったので、そういう中盤以降の見落としやミスを、減らしていかないといけないという気持ちが強いです。
――中盤はAIの評価値では少し先手が指しやすそうな局面もあった。実際に指してみて。
服部 確かに、昼の休憩(40手目△7三桂)のところはちょっと自信が持てないような気がしていました。序盤で△4四角(22手目)が部分的な形なのですが、4四が争点になってしまったので、ちょっと反応しすぎた可能性もあるのかなと。序盤で▲8七歩と打ってもらえると思ったのですが、うまく保留されて歩を2枚持たれたので、主導権を握られる展開になってしまったかと思っていました。
(幸先よく先勝した服部慎一郎七段)
――好転して手応えを感じたところは。
服部 ▲4八桂(63手目)に△4七角成といって、こちらは△6五桂と跳べるので、そこで指せるかと思いました。
(敗れた斎藤明日斗六段はあとがなくなった)
――本局を振り返って。
斎藤 序盤は結構、主導権を握れる展開になったので、面白いかなと感じていたのですが、具体的によさに結びつける順が難しくて。▲6六角(41手目)は少し弱気な手だった気もするので、そのあたりでうまく手を見つけられればとは思ったのですが。中盤は▲2五飛(45手目)に期待したものの△4六歩が厳しい手で、そこで踏みとどまれる順が浮かばなくて本譜の決戦にいってしまったのですが、飛車を切っていった(51手目▲3五飛)のがやりすぎで、そこから粘りが利かない形だったと思います。
――思いきった踏み込みに見えた。
斎藤 消去法に近い形だったのですが、もう少しいい粘りがあったかもしれないので、そのあたりはよくなかったですね。自信はまったくなく、仕方ないかなといったところでした。
――次戦に向けて。
服部 準備していい内容の将棋を指せるように頑張りたいと思っています。序盤で主導権を握られて、あまり面白くない展開になってしまったので、そこを補強できて面白い将棋が指せればと思います。先後が分かるので、策を練っていきたいと思います。
斎藤 中盤以降の内容がかなりまずく、見どころのない将棋になってしまったので、まずはよい将棋を指して何とか第3局につなげられればと思っています。
――次戦は東京で、斎藤六段のホームでの対局となる。気持ち的に違うところは。
斎藤 そういうところもあるのかもしれませんね。
(飛龍)