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前期までの直近10期の決勝三番勝負は、2連勝決着が5回、2勝1敗決着が5回となっています。2勝1敗での決着において、第1局の敗者が連勝で逆転優勝を果たしたのは5回となんと100パーセント。データ上ではここ10期においては、第2局を制したほうが優勝する結果となっています。
(左が優勝者。段位は決勝三番勝負決着局当時。◯●は優勝者から見ての星取り)
第44期 都成竜馬三段-藤森哲也四段 ●◯◯
第45期 阿部光瑠四段-佐々木勇気五段 ●◯◯
第46期 菅井竜也六段-大橋貴洸三段 ●◯◯
第47期 増田康宏四段-石田直裕四段 ◯◯
第48期 増田康宏四段-佐々木大地四段 ◯◯
第49期 藤井聡太七段-出口若武三段 ◯◯
第50期 高野智史四段-増田康宏六段 ●◯◯
第51期 池永天志四段-齊藤優希三段 ◯◯
第52期 伊藤 匠四段-古賀悠聖四段 ◯◯
第53期 服部慎一郎四段-黒田尭之五段 ●◯◯
第54期 ? 四段- ? 四段 ???
(潤)
藤本渚四段と上野裕寿四段の井上慶太九段門下同士の対決となった第54期新人王戦決勝三番勝負は、兄弟子の上野四段が自身の棋士デビュー戦ともなった第1局を制し、新人王まであと1勝としました。デビュー直後の棋戦初優勝か、弟弟子が返して最終局に持ち込むか、第2局は10月23日(月)に大阪府大阪市福島区「関西将棋会館」で行われます。対局開始は10時。持ち時間は各3時間(チェスクロック使用、使いきると1手60秒未満の着手)。第2局の先手番は藤本四段。昼食休憩は12時から12時40分。観戦記執筆は田中幸道指導棋士五段。立会人は畠山鎮八段、記録係は松下洸平初段(森安正幸七段門下)がそれぞれ務めます。
インターネット中継は棋譜・コメントを虹、ブログを潤が担当します。
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【勝率トップ棋士か、兄弟子の意地か、第54期新人王戦決勝三番勝負|日本将棋連盟】
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(潤)
(勝利を収めた上野四段)
――本局が棋士として初の公式戦だった。
上野 デビュー戦がこうした新人王戦決勝という大きな舞台で、皆さんから注目されることは分かっていたので、気合が入っていました。一局を通じて集中して指せていたかなと思います。
――序盤、時間に余裕を持って指していた。研究の形だったか。
上野 練習将棋でも経験のある形だったので、そこは決断よく指せていました。優勢かは分からないですが、想定していた形のひとつでした。
――対戦相手について。
上野 藤本さんの強さはよく分かっていますし、練習将棋でもよく指す相手なんですけど、こうした大きい舞台で指せることはうれしいことだと思っています。
――若手の頂上決戦。藤井聡太竜王・名人を追い掛ける存在としてどう考えているか。
上野 藤井先生にはまだまだ及ばないところがたくさんありますので、追い掛ける存在としてより一層頑張らなければならないという気持ちです。
(敗れた藤本四段)
――本局を振り返って。
藤本 対戦相手の上野さんは兄弟子で、強いということもよく分かっていたので、見られて恥ずかしくない将棋にしようと思っていました。ただ、序盤で少しよいと思っていた局面が、実際に進んでみるとあまりよくないような気がしてきて。形勢も時間も離されてしまったのはよくなかったです。
――次局に向けて。
藤本 次は先手番になります。厳しい勝負になると思いますので、しっかり準備して臨めればと思っています。
――対戦相手について。
藤本 上野さんは自分が小さいときから指していただいた方で、本当にまったく勝てなかったので、ずっと強いという印象です。
――若手の頂上決戦。藤井聡太竜王・名人を追い掛ける存在としてどう考えているか。
藤本 追い掛ける……といってもいまのままでは離され続けるだけな気がするので、ちょっとでも差を縮めていきたいと考えています。
(虹)