加來アマ、4手目△3三角戦法を採用
定刻になり、互いに一礼。先手の阿部四段はひと呼吸おいてから▲7六歩を着手。加來アマは△3四歩と応じ、▲2六歩△3三角(図)と進んだ。
この△3三角は後手番の有力戦法で、居飛車・振り飛車の両方に変化できる幅の広い指し方。定跡とは離れた戦いになりやすく、力戦形を得意とする加來アマが用意してきた作戦だろう。佐藤五段は「プロでは一時期流行して下火になって、また最近復活の兆しの見える戦法です。後手は居飛車、振り飛車両方の可能性があります。先手の指し手によっても展開が変わってきます」と解説している。
図からは▲3三同角成△同桂と進む例が圧倒的に多い。序盤早々桂を跳ねる形になるのがこの戦型のポイント。桂跳ねを手得として生かしたい後手と、悪形としてとがめたい先手。両者の思惑が交錯する。加來アマの工夫を凝らした作戦と、阿部四段の対応に注目だ。
(文)