2021年7月14日 (水)

Dsc_0156(終局直後の対局室)

Dsc_0145(盤上に手を伸ばしながら記者の質問に答える加藤女流三段)

―― 一局の感想をいただきたいのですが、序盤は。

加藤 端を受けたのですが(26手目・△1四歩)、後手番ながら大胆だったなと。反省しながら指していました。▲4六銀と出られたら仕掛けるつもりで指していたので、うまくいくかどうか。どちらがいいかハッキリさせるような展開になってしまったと思っていました。

―― 中盤はどうでしょう。

加藤 △4四歩を突いた辺りは、思っていた展開と違って、我慢をしたような感じになったのですが、桂馬が急所になるような将棋だと思ったので、まずまずかなと思って指していました。

―― 終盤に飛車取りに対して寄せにいったところは?

加藤 よくわかっていなかったですが、正確に指せば勝てそうかなという。

―― 勝ちを意識したのは、その△5七桂でしょうか。

加藤 最後の最後ですね。△9五角と打って、1枚使わせることができたので。自玉との兼ね合いが読みやすくなったと思います。

―― これでタイトル挑戦ですが、意気込みを。

加藤 清麗戦は私にとっては初めてのタイトル戦で、相手は里見さん。実力者の方で、何度か戦わせていただいていますが、前回よりは成長して、戦いたいなと思います。

Dsc_0159(言葉を選びながら、質問に答える鈴木女流三段)

―― 一局を振り返っていただいて。

鈴木 似たような将棋は見たことがあったのですが、ちょっと形が違って乱戦になってしまって、よくわからなかったです。△4四歩と突かれたところは、何かありそう、まあまあかなと思ったのですが、そのあと対応を間違えて、一気に悪くなってしまったので、う~ん。自分の中で、形勢判断などが難しくて、最後は一方的になって完敗してしまったので、すごく反省点かなと思います。清麗戦の中で、今日がいちばんの完敗だったので。

―― ▲6六香と打ったところは。

鈴木 何とかなるかなと思っていたのですが、そのあと急転直下になってしまって。△5七桂と打たれて、対応がよくわからなくなりました。難しすぎて手が選べなかったです。悲観しすぎていたのかもしれません。

20210714b_3里見香奈清麗への挑戦を目指す第3期大成建設杯清麗戦挑戦者決定戦▲鈴木環那女流三段-△加藤桃子女流三段戦は、14時54分に62手で加藤女流三段の勝ちとなりました。消費時間は▲鈴木2時間34分、△加藤1時間39分。加藤女流三段が清麗戦で初めての挑戦権獲得を果たしました。
五番勝負第1局は9月23日に東京都港区「ホテルオークラ東京」で指されます。

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先手玉を狙うピンポイントの角。端に手放してもったいないようですが、先手はピッタリとした受けが難しそうです。

Dsc_0099(加藤女流三段がリードを広げている)

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図は△4六歩と伸ばしたところ。黙っていれば△4七歩成がある。午後になって再び控室を訪れた鈴木九段は、継ぎ盤の先手側に座り「あちら(後手)が少しいいんでしょうね」と話している。

Dsc_0129(図の△4六歩に▲同歩△4八歩を継ぎ盤に並べる鈴木九段)

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△3三同桂に鈴木女流三段が17分使って、12時になり昼食休憩に入りました。消費時間は☗鈴木女流三段1時間27分、☖加藤女流三段32分。対局は12時40分に再開されます。対局者の昼食は、鈴木女流三段が「ゴーヤチャンプル弁当」、「納豆オムレツ+キムチ」(いずれも鳩やぐら)。加藤女流三段の注文はありませんでした。

Dsc_0084_2 Dsc_0086 ※対局者のものとは別に撮影用に注文しています。