2024年7月
終局直後
(1勝1敗のタイに戻した加藤女流四段。完勝だった)
――序盤の駒組みについて。
加藤 (30手目△4五歩で後手に動かれて)相手の手に乗って指していくしかないのかなと。方針がちょっと微妙だったかなと思って指していました。
――▲1五角(75手目)のあたりは形勢をどう判断していたか。
加藤 ▲6四歩(71手目)のところは▲5九金との比較だったのですが、▲6四歩が入ると思い込んでしまって、本譜の順がよくわからなかったといいますか、▲6三歩成(77手目)に△同金(本譜は△同玉)とか、もしかしたらあるのかなと思って、あまりしっくりきていませんでした。
――指せる手ごたえを得た局面は。
加藤 ▲6四桂(87手目)と打って(後手玉を)捕まえられそうな気がしました。
――次局に向けて。
加藤 私にとっては1局でも多く指せることはとてもうれしいので、また次局に向けて準備をしたいですし、体調も整えたいと思います。
――△4五歩(30手目)で前例から変化した。
福間 手の広い局面で難しいかなと思っていました。
――△5六歩(42手目)あたりの中盤の攻防について。
福間 こちらは歩切れで攻めがつながるかどうかだと思っていました。
――どこがポイントの局面だったか。
福間 急な流れになってしまったので、もう少しゆっくりした展開を選ぶべきだったと思います。
――次局に向けて。
福間 力を出しきれるように頑張りたいと思います。
加藤女流四段が勝利
清麗戦第2局は17時42分、111手で加藤女流四段が勝ち、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻しました。消費時間は▲加藤3時間40分、△福間4時間0分(持ち時間は各4時間)。第3局は8月6日(火)に栃木県日光市「日光金谷ホテル」で指されます。
先手勝勢
先手が勝勢を築いています。ただ、後手も徹底抗戦で頑張っています。図の局面で加藤女流四段は残り44分。時間は十分にあります。
退路封鎖の好手
▲6四桂(図)が決め手級です。△7二玉を消しています。▲6四桂に(1)△同玉は▲6八金△同銀成▲6五飛△7四玉▲6一飛成と飛車を抜いて先手勝ち。(2)△6二金には▲6八金△同銀成▲6五金で後手玉が▲5三飛以下の詰めろです。加藤女流四段が勝利に向けて一気に距離を縮めました。
終盤の対局室映像
先ほどの「▲6七銀打の局面」で福間清麗が手を止めています。手番の福間清麗は前傾姿勢にならず、読みを深めている様子ではありません。一方、指し手を待ち構える側の加藤女流四段は、腕まくりをして体を揺らしています。対局姿からも形勢に差がついたことを感じられます。