―― 一局の感想をいただきたいのですが、序盤は。
加藤 端を受けたのですが(26手目・△1四歩)、後手番ながら大胆だったなと。反省しながら指していました。▲4六銀と出られたら仕掛けるつもりで指していたので、うまくいくかどうか。どちらがいいかハッキリさせるような展開になってしまったと思っていました。
―― 中盤はどうでしょう。
加藤 △4四歩を突いた辺りは、思っていた展開と違って、我慢をしたような感じになったのですが、桂馬が急所になるような将棋だと思ったので、まずまずかなと思って指していました。
―― 終盤に飛車取りに対して寄せにいったところは?
加藤 よくわかっていなかったですが、正確に指せば勝てそうかなという。
―― 勝ちを意識したのは、その△5七桂でしょうか。
加藤 最後の最後ですね。△9五角と打って、1枚使わせることができたので。自玉との兼ね合いが読みやすくなったと思います。
―― これでタイトル挑戦ですが、意気込みを。
加藤 清麗戦は私にとっては初めてのタイトル戦で、相手は里見さん。実力者の方で、何度か戦わせていただいていますが、前回よりは成長して、戦いたいなと思います。
―― 一局を振り返っていただいて。
鈴木 似たような将棋は見たことがあったのですが、ちょっと形が違って乱戦になってしまって、よくわからなかったです。△4四歩と突かれたところは、何かありそう、まあまあかなと思ったのですが、そのあと対応を間違えて、一気に悪くなってしまったので、う~ん。自分の中で、形勢判断などが難しくて、最後は一方的になって完敗してしまったので、すごく反省点かなと思います。清麗戦の中で、今日がいちばんの完敗だったので。
―― ▲6六香と打ったところは。
鈴木 何とかなるかなと思っていたのですが、そのあと急転直下になってしまって。△5七桂と打たれて、対応がよくわからなくなりました。難しすぎて手が選べなかったです。悲観しすぎていたのかもしれません。