終局直後、両者にインタビューが行われた。
先勝した里見清麗。
【里見清麗の談話】
――中盤、▲6四角(57手目)あたりから、局面が激しく展開しましたが、形勢はどう見ていましたか。
「本当はもう少しじっくり戦うつもりだったのですが、ちょっと手厚くする指し方がわからなくて」
――▲6四角は27分の長考でしたが、何か予定変更はあったのですか。
「そうですね。その前の▲3五歩に△2四飛を本線に読んでいて、本譜の△同飛なら手厚くできそうな気がしていたのですが……。本譜は攻め合いになったのですが、ちょっと本意ではなかったですかね」
――勝ちになったと思った局面はどのあたりでしょうか。
「こちらも玉が薄いので、最後まで怖い局面が続きましたが、最後の▲1一竜(93手目)のところは勝ちになったかなと」
――第2局に向けての抱負をお願いします。
「すぐに第2局になりますが、先後も決まっていますので――体調に気を付けて調整したいと思います」
上田女流四段。
【上田女流四段の談話】
――4手目△3二飛で相振り飛車にされましたが、これは用意された作戦でしたか。
「そうですね。初手▲5六歩なら、△3二飛の将棋を指そうかなと思っていました」
――中盤、△4六歩(44手目)から継ぎ歩攻めされたあたりは、手応えを感じていたりしましたか。
「難しいと思っていて。手応えというよりは、攻めが間に合わなくなるのが一番怖かったので。ある程度、きっかけを作っておきたいという気持ちがありました」
――形勢が苦しくなったと感じたのはどのあたりでしょうか。
「△7二玉(70手目)と上がるところは、本当は△2四歩と桂を取りたかったのですが、▲8三桂の筋が気になってしまって。当初は取るつもりで指していたので、予定変更では苦しくなった気がします」
――第2局に向けての抱負をお願いします。
「1週間弱ですが、しっかり準備して臨みたいと思います」