(終局直後の特別対局室。主催の山陽新聞社のインタービューに答える)
―― 本局を振り返っていただけますか。
伊藤 序盤はちょっと似た形を経験したことがあって、比較的早く指していましたが、自信があったわけではないです。馬ができたあたりは、指しやすいと思っていましたが、上部に逃げられる心配があったので、最後まで慎重に考えて指しました。
―― 勝因はどのあたりでしょう。
伊藤 こちらだけ馬ができているので、手ができればと思っていました。入玉の心配がありましたが、阻止できて、いけるんじゃないかと。
―― 倉敷藤花戦に向けての意気込みをお願いします。
伊藤 岡山に行くのは初めてなので、すごく楽しみにしています。相手は里見さんということで、ほかのタイトル戦で戦って、力の差を感じたので、何とかいい将棋を指せるように力をつけて頑張りたいと思います。
―― 本局についてお願いします。
甲斐 ちょっと序盤で機敏に仕掛けられてしまって、まだ大丈夫かなと思っていたのですが。嫌な攻めだったので、そこからは……。入玉含みで頑張る展開になったのですが、嫌味が多くちょっと苦しいかなと思って指していました。
―― 受けに回る時間が長かったですが。
甲斐 際どいかなと思ったのですが、具体的には……。うまく攻めを繋げられてしまいました。
(吟)
第25期大山名人杯倉敷藤花戦挑戦者決定戦は伊藤女流二段が勝ち、初挑戦を決めました。投了図は次に△7六金と△5八銀不成▲6八玉△5七角成という2つの詰み筋があり、適当な受けがありません。終局時刻は15時13分、消費時間は両者2時間。
△4八銀で伊藤女流二段も一分将棋に。両者一分将棋だ。先手は上部をうまく開拓して入玉を目指す形にしたい。後手はどこで先手玉を捕まえるか。形勢は混沌としている。
(吟)