2020年11月 5日 (木)

第28期三番勝負第1局は里見倉敷藤花の先勝

Kurashikitouka202011050101115第28期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第1局は、115手で里見倉敷藤花の勝ちとなりました。終局時刻は15時11分。消費時間は、▲里見1時間52分、△中井2時間0分(チェスクロック使用)。里見倉敷藤花が先勝し、防衛まであと1勝としました。第2局は11月21日(土)、岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で行われます。

(武蔵)

中井女流六段、秒読みに

中井女流六段は持ち時間を使いきって△1五歩と突きました。

Kurashikitouka202011050101_74以下、▲7八竜△1六歩▲6九竜△4五歩と進んでいます。先手は飛車を取って磐石になりました。

Kurashikitouka202011050101_78Hikae02 (昼前の控室。日本将棋連盟専務理事の脇謙二八段(左)と同常務理事の井上慶太九段)

(飛龍)

飛車の生け捕り

Kurashikitouka202011050101_63里見倉敷藤花の63手目▲3九歩からの一連の構想は飛車の生け捕りでした。

Kurashikitouka202011050101_73

73手目▲8八金は7八から寄ったところ。次に▲7八竜で飛車のいき場がありません。控室でも「痛い」の声が上がっています。代えて▲6八金左でも飛車は捕まりましたが、△6八同飛成が△2八金までの詰めろ。金を渡さないのがポイントでした。

Satomi11 (里見倉敷藤花は見えづらい順で飛車の捕獲を狙う)

(飛龍)

関西将棋会館ギャラリー

5階のエレベーターホールには(故)大山康晴十五世名人の写真が飾られています。

5f01 (本棋戦名にも冠されている大名人が対局を見守る)

Ue09(対局室上座の掛け軸。歴代永世名人が並び、大山十五世名人は右から2番目)

4f01 (4階エレベーター前には肖像画)

4f02(堂々たる実績)

(飛龍)

午後の控室

小林健九段が継ぎ盤を挟んでいます。

Hikae01 (相手は『将棋世界』誌取材の野間俊克指導棋士六段)

Sekai01 (『将棋世界』最新12月号には挑戦者決定戦の記事が載っている)

Kurashikitouka202011050101_65

局面は65手目▲9六歩まで進みました。△7八歩成と金を取れば▲7八同飛成で飛車が捕まります。

(飛龍)

桂をさばく

Kurashikitouka202011050101_58昼食休憩明けの△6九飛から▲7九歩△6五桂と進みました。後手は△7七歩▲同桂△同桂成のあと、△3六桂と王手に打つ狙いがあります。控室では中井女流六段がうまく手を作ったのではないかとの声が聞かれました。食いついて攻める形を作れば、金銀4枚の堅陣が生きる展開が望めます。

Kurashikitouka202011050101_60

Nakai11(中井女流六段は食いつく展開に持ち込めるか)

(飛龍)

対局再開

定刻前に両者とも戻っていました。

Saikai01 (観戦記担当は北村實・大山名人記念館館長。小林健九段は洋服に着替えている)

Nakai08 (手番の中井女流六段。休憩のほとんどの時間、盤の前にいた)

Satomi08 (里見倉敷藤花は鋭い視線を盤上に注ぐ)

Saikai02 (13時になり、対局再開の声がかかる)

Nakai09 (一拍置いて中井女流六段は△6九飛と打った)

Satomi09(里見倉敷藤花の表情は変わらなかった)

以降は終局まで休憩がありません。

(飛龍)

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