第1局 11月5日(木)「関西将棋会館」
第2局 11月21日(土)岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」
第3局 11月22日(日)岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」
本局の中継は以上で終了いたします。ご観戦くださいまして、ありがとうございました。
(玉響)
感想戦終了後、中井女流六段は報道陣からのインタビューに答えました。
――いまのお気持ちは。
中井 挑戦者になることを目標にしていたので、タイトル戦に久しぶりに出られてうれしいです。
――2006年度以来のタイトル戦登場です。
中井 自分でも、いつタイトル戦に出たのか思い出せないくらい。それだけ若手が増えて強くなった、こちらが衰えてきたことの証かなと。弟弟子のおじさん(注:木村一基九段のこと。佐瀬勇次名誉九段門下の同門)も頑張っているので、おばさんも頑張らないと、という感じです。
――木村一基九段の影響は大きかったですか。
中井 挑戦者になってタイトル戦で戦うのはすごいことだなと思っていましたし、特に注目されたタイトル戦だったので、刺激を受けました。
――今回、挑戦できた要因は。
中井 わからないです(笑)。正直。本局もちょっとよさそうと思っていましたが、最後まで自信がそんなに持てていたわけではないですし。
――以前から将棋の勉強法は変えましたか。
中井 コンピュータの影響で、修行時代の昭和の将棋、平成の将棋とは、戦型や感覚的なものがだいぶ違ってきているので、ついていくのが大変というところはあります。
――中井さんの挑戦で勇気づけられるファンもいると思います。どのような将棋を見せたいですか。
中井 里見さんは若い頃から渋いというか、老獪な指し方もするというか、そういうところがあったので、こちらは逆に若い将棋で対抗したいなと。里見さんはいろいろな戦型を指すので、自分なりに研究して全力でぶつかっていきたい。相手が強いので、正直難しい戦いだとは思います。せっかくいただいたチャンスなので、いい将棋を指して結果がうまくついてくるようにしたいなと。
――里見さんとは6勝6敗。そのあたりの意識は。
中井 互角とは思っていない。最近は全然対戦がなく、こちらが勝ち上がっていかないと当たらない。久しぶりに対局ができることはうれしい。吸収できる部分が多いと思うので、貴重なタイトル戦になると思っています。
――初めてタイトル戦に出られたのが13歳で最年少記録になっています(注:1983年4月開幕の女流王将戦三番勝負)。また最年長でタイトル戦に出られることに、どのような思いがあるか。
中井 一番最初のタイトル戦は遥か昔のことで、それから40年近くたっているので、年月とともにいろいろなことがあったなあと。正直、ずっとタイトル戦から遠ざかっていて、若くて強い女流棋士がどんどん出てきて活躍しているので、年齢的にタイトル戦に出るのは厳しいのかなとも思っていた。そういう意味ではすごくうれしいです。
(インタビュー書き起こし=文)
(玉響)
【中井女流六段の談話】
――倉敷藤花戦の番勝負に進むのは2004年以来、16年ぶりとなります。
「年齢的にも厳しいかなと思っていたんですけど、チャンスがきたので、頑張りたいと思います」
――一局を振り返って
「香を取れれば少しいいのかなと思っていたんですけど、堂々と▲同銀(33手目)と取られてしまったので……。形勢判断がよく分からなかったです」
――最初は想定通りだったのでしょうか。
「石本さんはいろいろな将棋を指されているので、正直、どんな戦型になるか予想がつかなかったです」
――よくなったと思ったところは。
「終盤、上部が手厚くなって、先手玉が見えやすい形になったところは何とかなるのかなと」
【石本女流初段の談話】
――一局を振り返って。
「まだ陣形が完成していないので、(後手からの)仕掛けはやりづらいかなと思っていました。香を取らせてる間に堅さを生かしてさばければと思いましたが、じわじわ駒損が響いて手厚く指され、食いつけそうで食いつけなかったです」
――最初の流れは思った通りでしたか。
「若干、想定していた形とは違っていたんですけど、三間飛車でいこうというのは決めていました」
――もう少しでタイトル初挑戦というところでした。今後の抱負は。
「挑戦者決定戦まできたのは初めてで、チャンスと思っていたんですけど、実力が足りなかったと思うので、またこの舞台にチャレンジできるように頑張りたいです」
(玉響)