「居飛車党としては次に▲6五歩と突けると気持ちいいです。なので後手としては△6四歩と受けておきたいですし、そう指すと思います。そこで筋として(1)▲6五歩△同歩▲同桂というのがあります。△6四銀と逃げると▲3一角が痛いです。また後手からは△1四角という手があるので、5八金が移動する展開(4七への成り込みが受けにくくなる)には注意が必要です。(2)▲1六歩ならまったりとした流れです」(千田五段)
(千田五段は先手から動く展開も視野に入れた検討を行う)
(虹)
開始10分ほどで一気に進みました。戦型は後手番となった里見女流二冠の角交換四間飛車に。この辺りから互いの趣向が見られる序盤戦となりそうです。
(30分の休憩時間中、里見女流二冠は対局室外の窓から外を眺めていた)
(本田女流三段)
(里見女流二冠)
(対局開始直後。千日手局と同様に序盤はペースが早い)
▲里見-△本田戦は14時18分、84手で千日手が成立しました。消費時間は▲里見1時間35分、△本田1時間52分(チェスクロック使用)。指し直し局は先後を入れ替え、30分後に開始されます。持ち時間は消費時間の多い本田女流三段が1時間になるよう、双方残り時間に52分を足し、▲本田1時間0分、△里見1時間17分となります。
(飛龍)
(控室が栄えてきた。菅井竜也六段、今泉健司四段が加わっている)
(室谷由紀女流二段も来訪。千日手筋が濃厚との話に)
ここで▲4三金△3一金打▲3二金△同金▲4三金△3一金打……という千日手筋が示されていましたが、実戦は▲4三歩成と踏み込みました。△同銀▲8八角まで進みましたが、「なんだか決め損ねた感じがあるなぁ、私は居飛車持ちです」と今泉健司四段。(1)△5九飛成▲3三角成△2二金打(代えて△同金は▲2二金△同玉▲3一銀△1一玉▲4三飛成△3二金打▲2二銀打△同金▲同銀成△同玉▲2三馬!で先手勝ち)や、(2)△3一金打があります。
(上記1の変化)
(変化が多い激戦だ。「56手目△5六角が好手だったんでしょうね」と千田五段)
13時30分。20分弱の考慮後、4九金を犠牲にして里見女流二冠が攻め合いの順を選びました。本田女流三段はしばし手を止めてから△4九歩成と踏み込みました。まさに「どちらかが倒れている」局面です。
(激しい攻め合いに応じた本田女流三段。読み勝っているのはどちらか)
(昼の関西将棋会館。なにわ筋沿いはサラリーマンの人通りが多い)