図は10時50分頃の局面。先手は▲2四歩のジャブを繰り出したあと、本格的な開戦のタイミングをはかっています。この手で前例からは離れています。
Twitter解説の長岡五段は研究家として知られていますが、この戦型も研究の範囲で2年前には、すでに著書に書いているとのこと。本局に最適の解説者といえそうです。
Twitter解説の抜粋。「2年前に出した本」とは『長岡研究ノート・振り飛車編』(マイナビ将棋BOOKS)のことだと思われます。
長岡裕也五段
(八雲)
甲斐智美倉敷藤花に里見香奈女流三冠(女流名人・女流王位・女流王将)が挑戦する、第23期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負は11月10日(火)東京・将棋会館にて第1局が行われます。
両者の対戦は甲斐7勝、里見17勝と里見女流三冠がリード。タイトル戦では4回対戦して2勝2敗の五分となっています。倉敷藤花戦では一昨年の21期に甲斐倉敷藤花が里見女流三冠からタイトルを奪取して現在に至っています。最強のライバル同士の戦いにご注目ください。
本局の立会人は中座真七段、記録係は真木野芳紀初段が務めます。対局は10時開始予定。持ち時間は各2時間(チェスクロック使用)使い切ると1分将棋、第1局の先後は振り駒で決定します。
【Twitter解説】
本局はTwitterアカウント「日本将棋連盟モバイル」(@shogi_mobile)にて、長岡裕也五段の解説を実施いたします。下記のページからご覧ください。解説の内容は棋譜コメントにも随時転載いたします。
https://twitter.com/shogi_mobile
中継は棋譜・コメントを吟、ブログを八雲が担当いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
――千日手局を振り返っていかがでしたか。
里見 一方的に攻める展開で途中まではよかったと思っていましたけど、56手目△5六角と打たれたところはこちらの方が囲いが薄くて自信がありませんでした。千日手になって、こちらとしては歓迎でした。
――指し直し局を振り返っていかがでしたか。
里見 呼び込みすぎてまた局面を悪くしてしまったのですけど、本田さんに小さいミスというか、49手目▲2二とのところで先に▲5三桂成とされると少し自信がありませんでした。ただそれは、悪いなりに力が出しやすい局面なのかなとは思いました。実戦はそれを逃されて指しやすくなって、玉形がしっかりしていたので安心して攻めることができたと思います。
――三番勝負へ向けての意気込みをお聴かせください。
里見 甲斐さん(智美倉敷藤花)は研究熱心な方で、対局できるのが楽しみです。休んでる期間が長くてなかなかうまくいかないことも多いですけど、目の前の対局を一生懸命に考えられるように、そういう状態になるように日々頑張っていけたらと思います。
(虹)