終局直後
◆伊藤沙女流四段の談話
――今日の将棋を振り返って、どのようなところが結果につながったと思いますか。
伊藤 こちらから先攻できる形になって、難しいところもあったとは思うんですが、攻めていける展開になったので、少し指しやすいのかなと感じていました。
――指しやすさを意識したのはどの辺りですか。
伊藤 ▲4五桂(57手目)と跳ねた辺りで、駒が手に入りそうなので、攻めの見通しが立ったかなと。
――本局は先手番でした。用意した作戦がうまくいったという将棋だったのでしょうか。
伊藤 いえ、どういった形でこられるのかは……。いろいろあったと思うので、本局のような進行はそこまで本命ではありませんでした。
――早い段階から先例のない将棋になりました。
伊藤 おっしゃる通り、力戦形で実戦例もないので、一手一手、考えて指していこうと思っていました。
――三番勝負に向けての抱負をお願いします。
伊藤 シリーズが始まるまでに、しっかり整えて準備したいと思います。
――第2局と第3局は、倉敷で行われます。
伊藤 倉敷藤花戦の番勝負に出られないと、倉敷にはなかなか伺う機会がないので、楽しみです。
◆加藤桃女流四段の談話
――本日の将棋はいかがでしたか。
加藤 早い段階でうっかりをしてしまって、読みの中でもうっかりを重ねてしまったので、収拾困難になってしまいました。何もできなかったです。
――苦戦を意識したのはどの辺りですか。
加藤 とにかく△9四歩(26手目)がぬるかったので。▲5八金(39手目)と上がられているところで、もう苦しいとは思っていました。受かるかなと思っていた展開が受からないことに読みの中で気がついて、そこからは、どの順で踏みとどまるのかという世界になってしまいました。
(睡蓮)