18時45分ごろの大盤解説会場
後手の強襲
飛車で角を取る
▲2二歩(1図)から、実戦は△3三桂▲2一歩成△4二銀▲2七角△2五角▲3五飛△2七飛成▲同銀(2図)と進みました。後手はと金を作らせた代償として△3三桂~△4二銀の活用を重く見たようです。

先手の▲2七角は飛車を封じ込める手で、場合によっては▲3九金から取りにいく手を含みにしています。
対して△2五角が後手の狙いだったのかもしれません。▲3五飛に△2七飛成と角を取って▲同銀(2図)に△2四角が検討されていました。いずれ△4六角を見ています。また、▲7五飛には△3七歩成▲同桂△4七角成と攻める狙いですが、斎藤八段は△4四角と打ちました。前述した△4六角の筋がなくなっているため、角の位置の違いがどう出るのでしょうか。
中盤の難所
シンガポール日本人会
対局場の「シンガポール日本人会」は1915年に設立された会員制クラブ。施設内には多目的ルームやカラオケルーム、日本料理や売店などがあり、対局日には日本人の親子の姿が多く見られた。対局には4階の和室が使用されている。
【シンガポール日本人会】
https://www.jas.org.sg/
シンガポール対局
後手の攻め筋

伊藤叡王は昼食休憩を挟む1時間3分の長考で▲3四飛(1図)と指しました。控室では▲3五飛が検討されていました。▲2二角成△同銀▲3二飛成が狙いです。▲3五飛だと△8八角成▲同銀△4四角といった筋が生じるため、角筋を避けたのかもしれません。1図以下、△8八角成▲同銀△5五角(2図)と進んでいます。△5五角は▲2二歩を消しながら△1九角成を見ています。

三枚堂達也七段は後手持ちの見解を示す。「ペースまではいってはいないと思いますが、後手のほうが攻め筋(△1九角成や、△9五歩▲同歩△9八歩▲同香△9七歩▲同香△9八飛)が見えますので。▲3四飛は3六の歩を取る狙いで、受け寄りの展開ですし、1筋の2手をどう生かすのか。先手のほうがより神経を使うでしょう」と三枚堂七段は話しています。
△3七同桂不成以下、▲1六角△4三銀▲3四歩△同銀▲3七銀△2四歩▲5六角△2五銀▲3四歩△4三飛▲3八角右(2図)と進みました。危うい形に見えた伊藤叡王が踏みとどまったようです。





1図は先手が2七にいた銀を3八に引いたところです。△3七歩成を間接的に受けた手で、▲3七同桂▲同桂成に▲3四歩△同飛▲1六角の切り返しを見ています。しかし、斎藤八段は△3七歩成を決行しました。▲3七同桂に△同桂不成(2図)が斎藤八段の読み筋のようです。▲3四歩には△4九桂成と金を取る意味です。一気に激しくなり、糸谷八段は「これはすぐに終わってしまう可能性も」と口にしました。

16時35分、図の局面を迎えました。斎藤八段が△2八飛と打ち込んだところです。▲2七歩には△4七角を見ています。伊藤叡王は図で▲2二歩と打ちました。△2二同銀は▲3二飛成、△2二同金は▲3一飛成があるため、後手は歩を取ることができません。▲2二歩以下、△3三金▲3六飛△2二銀が予想される手順で、先手の指し手が難しいといわれています。




















