*第54期決勝三番勝負第3局 Feed

2023年10月31日 (火)

浮かばない順

△8五飛

盤上は中盤戦の局面が続いています。図は後手の藤本四段が△8五飛と走った局面。次に△8八角成▲同金△同飛成という2枚換えの狙いがあり、控室では▲7七桂が予想されていましたが、上野四段は△8五飛に▲8六歩と打ち、△4五飛と横に逃がしたあとに▲7七桂と跳ねました。

▲7七桂

この3手に控室の森信七段は「なかなか浮かなばい順ですね」とコメント。先手は局面を収めて、5六の歩の拠点がうまく払えれば十分な態勢を築けそうです。

上野四段
(上野四段はしばらく受けに回る方針か)

(夏芽)

対局再開

"盤
(昼食休憩時、38手目△5五歩の局面)

再開前
(12時35分、両者ほぼ同じタイミングで部屋に戻った)

森七段
(森信七段も再開を見届けるために入室)

上野四段
(目薬を差す上野四段)

藤本四段
(藤本四段は前傾姿勢で集中している)

上野四段
(上野四段は再開を告げられると一度うなずき、すぐに▲4五歩と取った)

対局再開
(このあとは終局まで休みなしで指し継がれる)

(夏芽)

対局者の昼食

対局者の昼食は藤本四段がきつねうどん、上野四段がみそ煮込みうどんでした。どちらも「やまがそば」の品です。※写真は撮影用。

きつねうどん
(藤本四段が頼んだきつねうどん)

みそ煮込みうどん
(上野四段が頼んだみそ煮込みうどん)

(夏芽)

昼食休憩

△5五歩

38手目△5五歩の局面で12時になり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲上野四段1時間14分、△藤本四段44分(チェスクロック使用)。 対局は12時40分に再開します。

(夏芽)

藤本四段が動く

▲8八銀

第1局の前例に別れを告げたあと、後手の藤本四段は△8六歩▲同歩△8五歩の「継ぎ歩」で動いていきました。角道を開ける△4五歩に対し、上野四段が指した▲8八銀が手筋の受け。(1)△8五桂に▲8六歩を用意しています。

控室では「(2)△8五飛は味消し」と言われており、8五の歩を取ってしまうのは後手にとって面白くない展開のようです。検討では(3)△5五歩と突く変化が調べられています。

藤本四段
(居玉のまま動いていく藤本四段。ペースをつかめるか)

(夏芽)

開始前の様子(2)

藤本四段
(上座の藤本四段が駒袋を開ける)

上野四段

立会席
(写真左が観戦記の池田将之指導棋士五段、右はしんぶん赤旗の渡辺健総局長)

振り駒
(記録係による振り駒)

菅野二段

振り駒
(結果はと金が4枚、歩が1枚だった)

開始前

(夏芽)

開始前の様子(1)

菅野二段
(駒を磨く記録係の菅野晴太二段)

対局室

対局時計
(持ち時間は3時間ずつ)

藤本四段
(先に入室したのは藤本四段。9時40分だった)

藤本四段
(現在唯一の10代棋士。棋戦初優勝なるか)

上野四段
(上野四段は9時43分に到着)

上野四段
(勝てばプロ入り1ヵ月で棋戦初優勝という快挙を達成する)

開始前

(夏芽)

矢倉対雁木

▲4六歩

第3局の戦型は、先手の上野四段が矢倉、後手の藤本四段が雁木に組んでおり、途中の手順前後はありましたが、第1局と同じ形になりました。図の▲4六歩のところ、第1局は代えて▲3七銀と上がっていましたが、勝った上野四段のほうが指し手を変えています。

森信雄七段
(控室で継ぎ盤を動かす森信雄七段)

(夏芽)

対局開始

定刻の10時を回り、対局が始まりました。振り駒の結果、第3局の先手は上野四段です。

対局開始
(対局開始の一例)

上野裕寿四段

◆上野 裕寿(うえの ひろとし)四段◆

  • 棋士番号340
  • 2003年5月5日生まれ(20歳)
  • 兵庫県加古川市出身
  • 井上慶太九段門下
  • 2015年、6級で奨励会入会
  • 2018年、三段
  • 2023年、四段(プロ入り)

藤本渚四段

◆藤本 渚(ふじもと なぎさ)四段◆

  • 棋士番号333
  • 2005年7月18日生まれ(18歳)
  • 香川県高松市出身
  • 井上慶太九段門下
  • 2016年、6級で奨励会入会
  • 2021年、三段
  • 2022年、四段(プロ入り)

盤面"
(第1局と同じ▲7六歩△3四歩▲2六歩の出だしだった)

御上段の間
(対局室の御上段の間)

(夏芽)

決勝三番勝負第3局

藤本渚四段と上野裕寿四段による第54期新人王戦決勝三番勝負は、第1局を上野四段が、第2局を藤本四段が制し、両者1勝1敗のスコアで第3局を迎えます。いよいよ三番勝負の最終局。新人王の栄冠を手にするのはどちらでしょうか。

第3局は10月31日(火)に大阪市福島区「関西将棋会館」で行われます。開始時刻は10時で、持ち時間は各3時間(チェスクロック使用、使いきると1手60秒未満の秒読み)。昼食休憩は12時から12時40分まで。先後は改めて振り駒で決定します。

本局の立会人は森信雄七段、観戦記の執筆は池田将之指導棋士五段、記録係は菅野晴太二段(小林裕士七段門下)です。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/shinjin/kifu/54/shinjin202310310101.html

関西将棋会館

【主催:しんぶん赤旗】
https://www.jcp.or.jp/akahata/

インターネット中継は、棋譜コメントを武蔵が、ブログの更新を夏芽が担当します。よろしくお願いいたします。