服部六段インタビュー
(感想戦終了後、囲み取材が行われた)
―― 2度目の新人王戦優勝を決めて、最初のときと何か違う点は。
服部 最初は1局目も2局目も緊張していたが、今回は気負わず、伸び伸びと指せた。ただ、2局終えてみて、今回もまだ優勝した実感は湧いていない。
―― 勝負師にとって逆転勝ちが多いのは大事な要素のひとつ。逆転を勝ち取るために心がけていることは。
服部 決勝三番勝負に限ったことではなく、今期の準決勝や準々決勝も、逆転の内容だった。苦しくなったとき、すぐに土俵を割らずに粘り強く指すことを意識している。なおかつ、相手が嫌がりそうな手を見つけながら、気持ちを切らさないように戦っている。ただ、どうしても精神的には苦しい戦いが多い。序盤からリードして勝ちきれる将棋を目指したい。
―― 今年度の勝率は9割を超えている。成績についてどのように感じているか。
服部 勉強法を変えたわけではない。一局ずつ丁寧に指すよう心がけている。昨年は体調管理でうまくいかない部分があった。対局の次の日でも研究会などを入れていたが、今年は反省して、しっかり休む日を作っている。2023年度の成績は7割に届かなかった。今年は勝率にこだわっていきたいと思っている。
―― 冨田誠也五段とコンビを組んで、Mー1に出られたことでも話題になった。
服部 漫才をやっていて将棋に負けていたら、周りからもいろんな意見が出る。だからこそ、盤の前に座ったら「勝たなければいけない」と気持ちになった。気持ちの部分で、それが好調の要因となっている部分もあるかもしれない。
―― タイトル戦に出るための課題について。
服部 各棋戦では本戦の上位に食い込めておらず、課題は多い。まずは本戦に出場できるようにしたい。
―― 出身の北陸地方は災害が重なり、まだ現場は苦しい状況が続くと報道がある。そのことに対する思いは。
服部 「地元にタイトルを」という思いは常にあって、それが今期、頑張りたいと思った要因のひとつ。自分が将棋を指して、少しでも喜んでもらえたらと思う。
(大名人の掛け軸を背に、取材に答える)
(回答中は表情を緩めた)
以上で第55期新人王戦決勝三番勝負の中継を終了します。来期、新人王に輝く精鋭棋士は誰でしょうか。今後の新人王戦にもご注目ください。ご観戦、誠にありがとうございました。
(武蔵)










玉頭を押さえる銀打ちで、先手玉に△7六桂▲7九玉△8八金までの詰めろをかけました。実戦は▲7七金と受け、△9七角▲7八玉△7七銀成▲同玉△7六歩で、後手の攻めが止まりません。後手が勝ちに近づいています。



先手が千日手を打開し、ねじり合いが続く中盤戦。服部六段は△8六金と捨てて反撃に出ました。▲同金△7四桂まで進みます。以下☗7五桂には☖5二玉と逃げます。2筋の歩は五段目に伸びて、後手玉は逃げ道が広いです。検討でも△7四桂に対する有効な手段が見つかっておらず、後手が指しやすくなったという評判です。


図から▲8三馬△8一飛なら、同一局面が4回となり、千日手でした。しかし、高田五段は時間を使って▲9二歩と打開します。指し直し局に備えていた控室には、一転して安堵の空気が漂いました。
飛車を巡る攻防が続きます。図から△8一飛▲9二馬△7一飛▲9三馬△9一飛▲8三馬……と進むと千日手模様です。