(対局者が退場したあと、出演棋士が明日の見どころを語る)
(菅井竜也八段)
(長谷川優貴女流二段)
(清水市代女流七段)
(村田智穂女流二段)
清水 最近はごあいさつで壇上に立つことはあるのですが、見どころなどでは立ったことがないので、ちょっと緊張しますね。
菅井 自分も約1年ぶりになります。
清水 私事で恐縮なのですが、自称倉敷市民としてひと言申し上げたいことがあって……皆さん、ただいま! それと大変うれしいことに、倉敷市出身の棋士が誕生したということで、狩山さん、おめでとう! これから益々ご活躍を期待しております。
村田 明日の見どころはどうですか?
菅井 加藤さんは少し前まで里見さんに14連敗だったんですよね。その相性が悪い中で、いきなり3勝2敗で清麗を取って盛り返したので、勢いで言うと加藤さんかなと思っています。
村田 戦型にも注目したいのですが、おふたりの対戦はゴキゲン中飛車がすごく多くて、里見倉敷藤花はいろんな振り飛車を指しこなすイメージがあるのですが?
清水 里見倉敷藤花の初手は▲5六歩?
菅井 中飛車ですよね。「中飛車で勝ちたい」という里見さんの意地を感じます。
清水 最近はよくタイトル戦でご一緒させていただくのですが、とにかく序盤の進行が速い傾向がありますが?
菅井 本当に今は午前中に終盤戦を迎えたりすることもありますので、対局開始から目が離せないですね。ただ、心配なのが大盤解説会が昼からなので、終わりが近い局面で始まったら嫌だなと。
清水 長谷川さんは、おふたりの印象は?
長谷川 私は第1局の記録係を務めまして、先ほど清水先生がおっしゃったように、加藤さんは闘志あふれる指し回し、里見さんのずっと冷静な指し回しだったので、その辺にも注目していただければと思います。
清水 こういう場では戦型予想とか聞くんですよね?
菅井 戦型予想は中飛車で決まりです。里見さんが先手なので初手▲5六歩と真ん中の歩を突くと思います。研究会でもずっとそれですし。
清水 そういうのって作戦を決め打ちされやすいと思うのですが?
菅井 いくら負けても中飛車がいちばんいい戦法だと信じてやっていると思います。
清水 そうしますと加藤挑戦者の作戦が注目なのですが?
菅井 自分は振り飛車しかしないので、居飛車党の気持ちがなかなか分からなくて。
村田 加藤清麗はよく穴熊をされていたり、最近だと美濃囲いをされていたり、いろいろな作戦をやられているイメージですが。
清水 持ち時間によってもだいぶ違うと思いますね。倉敷藤花戦は各2時間(チェスクロック使用)なので、より玉が堅い作戦を選ぶのでしょうか。
菅井 アマチュア大会で2時間だとすごく長く感じると思いますが、意外とあっという間になくなるみたいですね。倉敷藤花戦はそういう時間切迫による逆転が多いので、最後まで本当に分からないと思います。
村田 どういった戦型を選ばれるのか。ほぼ中飛車?
菅井 絶対、絶対、絶対。外したら岡山市から倉敷市に移ります。まあ、それぐらいの気持ちで、ということでね。
(書き起こし=夏芽、写真=翔)