2025年9月24日 (水)

昼食休憩時の対局室

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Dsc_6484 (加藤桃女流四段の側から見た盤面。伊藤沙女流四段が厳しく攻め立てている)

Dsc_6491 (時間は加藤桃女流四段が30分ほど多く残している)

Dsc_6488 (加藤桃女流四段の座布団の前には、扇子と腕時計)

(睡蓮)

昼食休憩

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この局面で伊藤沙女流四段が8分考えたところで正午になり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲伊藤1時間14分、△加藤45分。昼食の注文は、加藤桃女流四段が「タンパク質スペシャルボウル」(Oasis)。伊藤沙女流四段は注文なしでした。対局は12時40分に再開されます。

Dsc_6477 (タンパク質スペシャルボウル)

(睡蓮)

伊藤沙女流四段が戦機をつかむ

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図は11時頃の局面。伊藤沙女流四段が盤上を左右に広く使って攻め手を繰り出しています。▲3四歩に△同銀は、▲7四歩△8五桂(△同飛は▲5六角)▲8六歩ではっきり先手優勢。しかし加藤桃女流四段としては、この歩を取れないのでは悔しいでしょう。伊藤沙女流四段がペースを握りつつあるようです。

Dsc_6381 (伊藤沙女流四段)

(睡蓮)

雁木系の将棋に

2025092438図は10時25分頃の局面です。相居飛車の雁木系の将棋になりました。後手の加藤桃女流四段が角を3一に引く工夫の駒組みを披露し、早い段階で前例がなくなっています。

Dsc_6450 (加藤桃女流四段)

(睡蓮)

対局開始

Dsc_6355 (9時40分、まず伊藤沙女流四段が入室)

Dsc_6359 (直後に加藤桃女流四段も姿を見せた)

Dsc_6398 (伊藤沙恵女流四段。2期連続4回目の倉敷藤花挑戦を目指す)

Dsc_6406 (加藤桃子女流四段。こちらは勝てば4期ぶり2回目の倉敷藤花挑戦)

Dsc_6413(伊藤沙女流四段の振り歩先で振り駒。結果は歩が4枚で、伊藤沙女流四段の先手と決まった)

Dsc_6444 (本局の山陽新聞観戦記担当は、大川慎太郎さん)

Dsc_6461 (定刻通りに対局開始)

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Dsc_6471 (福間香奈倉敷藤花への挑戦権を得るのはどちらか)

(睡蓮)

挑戦者決定戦

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大山名人杯第33期倉敷藤花戦挑戦者決定戦は、伊藤沙恵女流四段と加藤桃子女流四段という実力者同士の対戦になりました。伊藤女流四段は、勝てば2期連続4回目の倉敷藤花挑戦。加藤女流四段が勝てば、4期ぶり2回目の倉敷藤花挑戦です。対局は東京・将棋会館「特別対局室」で9月24日(水)の10時に開始されます。持ち時間は各2時間(チェスクロック使用、切れたら1手60秒未満で着手)。先後は振り駒によって決まります。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/kurashikitouka/kifu/33/kurashikitouka202509240101.html

中継担当は、棋譜コメントが銀杏、ブログが睡蓮です。どうぞよろしくお願いいたします。

(睡蓮)

2025年3月25日 (火)

記者会見

就位式のあと、対局者の記者会見が行われました。

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(記者会見の模様)

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(福間香奈倉敷藤花)

福間倉敷藤花の記者会見
―― 今日の一局を振り返って
福間 今日の将棋は序盤で早々につまずいてしまったので、組み立てや大局観がいまひとつなのかなとは思いました。△4二飛(34手目)が少し安易で、そこから苦しい将棋になってしまったと思います。途中も攻めさせられるような展開になって、ずっと苦しい将棋でした。じっとしていると、もっとジリ貧になってしまうと思ったので、強引な攻めではありますが、劣勢を意識していたので攻めていきました。

―― 午前中は劣勢だった。相手の持ち時間については、意識があったか
福間 持ち時間は意識していました。苦しいながらも、こちらは少しだけ残すぐらいに意識して指していました。

―― 形勢が逆転するきっかけとなったのは△4二角(74手目)の王手だったように感じた。そのあとの手応えは
福間 足りていないことは分かっていたので、迷ってもらえるような指し手を選んで、苦しいと思いながら指していました。正確に指されたら負ける将棋だったと思います。ただ、持ち時間の少ない中で、玉が露出した先手玉をまとめきるのは、実戦的に難しかったのかなと思います。こちらは攻めていくだけですので、心理的には少し楽だったのかもしれません。

―― 節目の10連覇を達成した。来期以降に向けた抱負について
福間 今期は産休期間があって、タイトル戦を戦えるのかどうか分からないという状況でした。出産とタイトル戦を両立させていただいたことにすごく感謝していますし、両立できたことは大変ありがたいなと思います。これからも棋力向上に努めていきたいですし、来期も倉敷に対局者として訪れることができますので、それがいちばんうれしいです。

―― 公開対局は行われず、例年とは違った状況だった
福間 今期は本当に対局できるかどうか分からないという状況の中での対局でしたので、ひとつひとつがすごくありがたいという風に感じています。

―― 春の倉敷対局の感想は
福間 おそらく初めて、春に来たと思います。気候もすごく気持ちよくて、より素敵な倉敷を味わえました。

―― 現在の勝ちっぷりについて
福間 段々と内容がいまひとつになっているのではないか、という気はしています。負けが混んでしまったときにも、自分のペースを保てるように、やっていけたらなと思っています。

―― 対局不足の解消について
福間 対局をこなしていく上で、解消できているのかなとは思います。その一方で、対策面や大局観が課題になってきますので、なるべく修正できる状態でいられたらと思います。

―― 自身の中で倉敷藤花というタイトルの位置づけは
福間 初タイトルを獲得した当時から携わっていただいている関係者の方もいらっしゃって、毎年温かく歓迎していただいております。関係者の方への感謝と、公開対局という倉敷藤花戦ならではの形でファンの皆様に将棋をお見せできる場として、特別な棋戦という思いがあります。

―― 今週末には女流名人戦も控えている
福間 まずは疲れを取って、そのあとできる限りコンディションを整えた状態で挑みたいと思います。

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(伊藤沙恵女流四段)

□伊藤沙恵女流四段の記者会見
―― 一局を振り返って
伊藤 ▲4四歩(77手目)を取り込んだあたりは、まずまずの進行で迎えられているのではないかと感じていました。△8六歩(78手目)で、そもそも▲同銀なのか▲9六銀なのかという判断が難しくて、▲同銀のあとも本譜のように▲7五歩(83手目)を突いて飛車の横利きが通ってくるのが味よく見えました。ただ、△8四歩(86手目)と打たれてみると、局面が難しくなっているような感覚があったので、そのあたりでこちらにミスが出てしまったかなという印象です。△8四歩の局面で、何か正しい手が見えればバランスを保てるような気もしましたが、ちょっと手が見えませんでした。ただ、本譜の進行だと明快に△7五角と出られて厳しいです。実戦の進行は、さらにミスを重ねてしまったと思います。

―― 今期はずっと和室での対局だった。過去の番勝負との違いはあったか
伊藤 公開対局は倉敷藤花戦ならではのものです。慣れているという点では、今回のような形の方が慣れています。同じ対局室でずっと休憩中も考えることができるので、そういった意味では、集中しやすかったと思います。

―― 今期は秋から春に、開催時期が変わった
伊藤 最初のほうは少し寒かったですけど、わたしはどちらかというと寒がりなので、季節的には今期の方がなんとなく指しやすかった印象があります。

―― もうすでに、33期のトーナメントも始まった。タイトル再挑戦の意気込みは
伊藤 トーナメントが始まる段階で、すぐに挑戦というのはさすがに意識できません。強い相手ばかりですし、一局一局の積み重ねで、挑戦できるかだと思っています。

以上で第32期倉敷藤花戦三番勝負の中継を終了いたします。第33期のトーナメントは既に開幕しており、三番勝負は11月開催予定です。

ご観戦ありがとうございました。

(書き起こし=武蔵、撮影=翔)

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