△5九角成と馬を作られた上田女流三段は▲5四歩△同歩を入れて、▲2三角成を決行した。▲2三角成は▲5六角と打った狙い筋の1つであった。△2三同銀▲同飛成△3七馬で、先手は竜を作り、後手は▲銀△角桂の交換で駒得になる順が考えられる。形勢はまだ難しいようだ。▲2三角成は攻めたのか、攻めさせられたのか。ここから数手が勝敗の帰趨を分けそうだ。▲2三角成までの消費時間は▲上田1時間43分、△室谷1時間39分。
(角切りから2筋を突破していく上田女流三段)(吟)
△3八歩と垂らした左図。▲同飛は△2七角から△3六角成がある。歩を垂らされた上田女流三段は▲6五歩△同銀▲6六歩と動いた。△7四銀には▲5六角と打って、▲7四角と▲2三角成を狙う手がある。いよいよ局面は激しくなりそうだ。
(歩損だが、手を作っていった上田女流三段)(吟)
(12時40分、対局が再開される。上田女流三段は前傾姿勢)
(室谷女流二段の手は動かなかった)
(昼食休憩再開時、上田女流三段はメガネを掛けていた)(吟)
▲5五歩に室谷女流二段が7分使って昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲上田女流三段52分、△室谷女流二段1時間6分。対局は12時40分に再開する。
(昼食休憩中も考え続ける室谷女流二段)(吟)
後手が飛車を4二から△3二飛と振り直した手に対して、上田女流三段が▲4六銀と上がったのが図の局面。△3五歩から動かれるのを防いだ手だ。消費時間は▲上田女流三段40分、△室谷女流二段41分で、ほぼ互角。どこから戦端が開かれるのか、角を手持ちにして構想力の問われる形になった。
(写真は開始から4手進んだ特別対局室)(吟)
現在の今年度女流棋士ランキングを見ると上田女流三段が17勝、室谷女流二段が16勝と首位を争っている。女流棋界で勝ちまくっている2人だ。また室谷女流二段は本局に勝つと通算100勝の区切りの勝利になる。
(日本将棋連盟ホームページから。1位の上田女流三段と2位の室谷女流二段は星1つの差だ)(吟)
(上座の上田女流三段が駒袋を開ける)
(駒を並べる上田女流三段)
(室谷女流二段)
(記録係の高浜愛子女流2級が上田女流三段の振り歩先で振り駒。結果は歩が4枚で上田女流三段の先手に決まった。写真は振り駒の駒が舞っている瞬間)(吟)