宮澤紗希・新女流二段 インタビュー
感想戦のあと、宮澤紗希女流二段の囲み取材が行われました。
(報道陣が置いた録音機の数に驚いたようす)
【宮澤紗希女流二段インタビュー】
--初挑戦への抱負をお聞かせください。
「タイトル挑戦は女流棋士になってから大きな目標だったので、挑戦できてうれしいです。大きな舞台なので将棋や、そのほかの面でもしっかり準備していい将棋を指せるようにがんばりたいです」
--福間香奈倉敷藤花に対する印象を教えてください。
「女流棋界のトップにずっといる方で、憧れの存在です。一度対局したとき(今年4月の女流名人リーグ)は一方的に負けてしまって、特に中終盤の読みの深さを感じました。当然すごく強い方なので、全力でチャレンジしていく気持ちで臨んでいけたらと思います」
--師匠の戸辺誠七段にはどうお伝えしますか。
「忙しい中、私の大事な対局前には時間をとっていただき、作戦についてアドバイスをいただいたり、実際に将棋を教えていただいたりすることもあります。今回はひとつ恩返しができたと思います」
--三番勝負が指される倉敷市にはどんな印象がありますか。
「高校生のときに大山名人記念館に行ったことがあります。将棋のまちの倉敷でタイトル戦を戦うことができてうれしいです」
--準決勝で西山朋佳女流四冠、挑戦者決定戦で中七海女流三段と、奨励会三段経験者を立て続けに破りました。自分の力がついてきたという実感はありますか。
「自分より強い相手に続けて勝てたのは驚いている、と言うと変かもしれませんが、これからもずっと戦う相手なので、これからもいい勝負ができるように頑張りたいです。デビューしたての頃もタイトルに挑戦したいという気持ちはありましたが、実際に姿をイメージできていませんでした。いまも実力差はありますが、戦えるところまで近づいている実感はあります」
--西山女流四冠、中女流三段と実力者を連破できた要因を自己分析すると、どう思われますか。
「2局とも中盤で形勢がよくなって押し切った将棋で、昔と比べると序盤や中盤が上手になってきたのかなと思います。強い相手に逆転ができればいいのですが、自分より強い相手に逆転するのは大変なことですし、ある程度は自分の得意なパターンに持ち込んで勝つという形を身につけられたのかなと思います」
--2023年に女流棋士になった時点ではタイトル戦に出るイメージがなかったということですが、いまこうして挑戦者になられて、タイトルを獲りにいくという意気込みはどの程度わいていますか。
「挑戦するからには獲るのを目指していきたいと思います。私は普段自分に自信があるわけではないですが、対局当日、盤の前に座ったら、相手がどんなに強くても自分が勝つという気持ち、勝負師みたいな気持ちを持っているところは自分のいいところかなと思います」
--宮澤女流二段は学生時代にCOBIN(東京・高田馬場にある将棋バー)でアルバイトをしていましたが、幅広い人と交流した経験はいまどのように生きていると思いますか。
「将棋カフェで出会った方や、戸辺一門全体を応援してくださる方も多く、恵まれていると感じます。私自身は大学生までアマチュアでやっていて、女流棋士としてのデビューが遅いほうだったので、いざ女流棋士を目指すというときには、師匠から『やるからにはしっかりとタイトルを目指さないといけないが、目指すというやる気はあるか』と聞かれたこともあり、今回挑戦できてよかったです」
--観戦していた棋士が「師匠譲りの攻め将棋」とおっしゃっていたのですが、ご自身ではどう思われますか。
「指す戦法は師匠とは違いますが、今日指した矢倉や、対振り飛車では玉を固めて攻めていくという部分は似ていると思います」
--3月に新人王戦で高橋佑二郎四段に勝った棋譜があまりにも見事で、将棋界の誰もがその強さに驚いたと思いますが、いつ頃からこういった強さを身につけた実感はありますか。
「自分ではその実感はないですが、3月に新人王戦で勝ったあとに今期の倉敷藤花戦が始まり、勝ち上がることができました。女流名人リーグも5勝1敗なので、対局に勝つことで勢いがついた、成長のきっかけになったのかなと思います」
--昨年の挑戦者決定戦(伊藤沙恵女流四段-加藤桃子女流四段)では記録係をされていました。今年は立場が変わって挑戦者です。
「挑戦者決定戦やタイトル戦の記録係を務めたことはありますが、自分が対局者として戦うことができることはすごくうれしいです」
(記念撮影。大山康晴十五世名人の掛け軸の前で)


