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2025年9月

2025年9月20日 (土)

感想戦

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Img_0983(感想戦の終盤には、辺りも薄暗くなり始めた)


以上で第3局のブログ更新を終了します。ご観戦、誠にありがとうございました。

終局直後インタビュー

202500920img_0955 (勝った福間香奈女流六冠)
□福間女流六冠のインタビュー

―― 序盤の駒組みについて。
 一手ずつ考えていくような将棋だったので、時間を使いながらという感じでした。

―― 昼食休憩となった40手目△3三桂の局面の形勢について。
 一瞬、金無双がしっかりしているので、軽く動いていくような展開にできればと思っていました。

―― 指しやすくなったと思われた局面は。
 △1七馬から△2七馬(56手目から58手目)で、少し指しやすいのかなと思っていました。

―― 勝ちになったと思ったところは。
 △8四桂(84手目)と打ったあたりです。

―― 第4局への意気込みは。
 体調管理に気をつけて、一生懸命頑張りたいと思います。

202500920img_0956(敗れた西山朋佳白玲)
■西山白玲のインタビュー

―― 駒組みの工夫について。
 ▲6六角(37手目)と動いていったんですけれども、△6四角(42手目)のような切り返しで、本譜のような順ではあまり思わしくないように思います。

―― ポイントになった局面は。
 △6四角に▲5五歩などが勝負になるのかなと思っていたので、本譜がジリ貧になってしまったことを思えば、そういうふうに勝負するべきだったのかなと思います。

―― 第4局の意気込みは。
 すぐですので、コンディションを整えて挑んでいけたらと思います。
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第3局は挑戦者の勝利

2025092098七番勝負第3局は、98手で福間女流六冠の勝ちとなりました。終局時刻は17時42分。消費時間は、▲西山3時間57分、△福間3時間44分(チェスクロック使用)。
この結果、七番勝負は挑戦者の2勝1敗となりました。第4局は9月27日(土)に、京都府京都市中京区「ザ・ゲートホテル京都高瀬川」で指されます。

挑戦者が優勢に

2025092070先手の飛車先にと金を捨てて、▲1八同飛には△2九飛成が王手飛車取りになります。形勢は後手優勢となりました。

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猿沢池園地

猿沢池園地(さるさわいけえんち)は、近鉄奈良駅から徒歩約5分の場所に位置する、周囲約360メートルの池を中心とした都市公園です。奈良公園と「ならまち」の境目にあり、興福寺五重塔や柳並木が水面に映る美しい景観は、南都八景にも数えられる名勝となっています。池には「猿沢池の七不思議」や「采女伝説」が伝わり、毎年秋には「采女祭」が行われています。池畔にはベンチや歩道が整備され、夜には興福寺五重塔のライトアップも楽しめます。
0006(現在、五重塔は保存修理工事中)
0004(付近には西国三十三所のひとつ、興福寺南円堂がある)
0005(中秋の名月の日に行われる采女祭(うねめまつり)の準備中)

※ここまで、奈良市内を紹介した写真は、対局前日に撮影したものです。

好手順

2025092056上図から▲1九飛△2七馬▲2四歩に△2六歩と進み、馬を逃げずに歩で支えました。

2025092060斎藤慎八段は△1七馬から△2六歩までの順を「見えづらい好手順」と認めました。次に△4四銀▲同銀△4三金▲同銀成に△同香が先手の歩切れを突く厳しい王手になります。斎藤慎八段は「形勢に差がつき、後手が指しやすくなったように思います」と形勢を示しました。

Img_0787(奈良公園は鹿だらけ)

どちらの読みが上回るか

2025092055上図は▲4三桂で△4四香を防いだ局面です。放置すれば後手玉の逃げ道を封鎖する駒になりますが、質駒になっている懸念もあります。
福間女流六冠は残り少ない持ち時間を投入して読みを深め、△1七馬と引きました。1歩を補充しながら、△4四銀と△2七馬の両狙いになっています。後手は都合のいいタイミングで桂を手にして、反撃できれば話がうまそうです。どちらの読みが上回っているのでしょうか。
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Img_0954(検討の中心は斎藤慎八段)

ならまち

近鉄奈良駅から南に歩くと「ならまち」と呼ばれる歴史的町並みを有する地区があります。奈良市中心部、元興寺の旧境内を中心とし、江戸時代から明治時代の町家や寺院が並び、情緒ある景観が広がります。かつて平城京の外京として発展し、奈良時代の面影を伝えつつも、町家を活用したカフェや雑貨店、レストランが点在する観光地となっています。また、世界遺産・元興寺や庚申堂など歴史的建造物が多いのも特徴です。

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0009(「春鹿」は奈良を代表する日本酒)

0010(福智院(ふくちいん)は、真言律宗の古刹)

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挑戦者、持ち時間が残り1時間を切る

2025092046昼食休憩明けからしばらくはスローペースでしたが、午後のおやつの時間を境にして局面が動き始めました。きっかけになったのは上図の△4五桂。桂のただ捨てで角の利きをこじ開け、▲同銀△1九角成▲3七桂△2九馬に▲4八玉と進んで下図。

2025092051_2馬に近づく強い受けで3八の金にひもをつけつつ、後に▲8九飛が馬に当たります。斎藤慎八段は△2三香には▲2六桂を示しました。前のめりに香の利きを食い止め、△2五歩には▲3四桂と飛車に当てて切り返せます。
▲4八玉に対して福間女流六冠は時間を使い、残り時間は1時間を切りました。
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近鉄奈良駅には

対局場の「ふふ奈良」は、近鉄奈良駅から車で5分ほどの距離にあります。近鉄奈良駅前の「行基像」は、奈良の定番待ち合わせスポット「行基広場」に設置されている銅像です。行基は奈良時代の高僧で東大寺大仏建立に尽力し、橋や寺の創建、民衆への布教など幅広い功績で知られます。この像は初代が1970年に奈良市長の発案で建立されました。現在は3代目となるブロンズ像が噴水の中心に立ち、駅前のシンボルとして多くの地元住民や観光客に親しまれ、奈良の代表的な待ち合わせ場所となっています。
0001(近鉄奈良駅から出ると、すぐに見えるのは商店街)
0003(アーケード内には鹿)

0002(行基像は東大寺大仏殿の方角を向く)